あらすじ
アベノミクスと莫大な日本の国家債務、加えて格差拡大や終わりなき少子超高齢化、さらにはイギリスのEU脱退やアメリカのトランプ政権誕生など、先行きに不透明さが増す中、多くの人々が底知れぬ不安を抱えながら暮らしている。このような混迷を極める時代に未来を見通すには「歴史の尺度」が必要である。本書では、25年単位を核として、150年、500年といった長期の尺度も用いながら、歴史を構造的に捉えていく。この3つの尺度を駆使すれば、今後、世界が辿る道筋が見えてくる。知的興奮に満ちた刺激的な論考! 【目次】序章 歴史のメガネをかける/第一章 二五年単位説――一八四五年から二〇二〇年まで/第二章 世代間隔と人口転換――二五年単位説の人口学的理解/第三章 長期波動と資本主義――経済循環から眺める世界史/第四章 五〇〇年単位説――近代の「入口」と「出口」/第五章 二五年後の未来 長い一世紀後の未来――未来の尺度/終章 世代史と世界史をつなぐ/あとがき/参考文献
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Posted by ブクログ
確実に歴史の変曲点にいるという感覚のある今、「大予言」という力強い書名に惹かれて読みました。しかし、未来はこうなるという未来像を提示する本ではなく、大きな歴史の中で変化の循環を分析して(分析してきた先人たちの理論を紹介して)大きく世界史を俯瞰してこれから起こる、いやもう始まっている変化の流れを伝えようとする「大変化」とでもいうべき内容です。25年、50年、そして500年をいうびっくりするようなモノサシには正しい、正しくないという次元を超えた新鮮な驚きと納得があります。以前、水野和夫「資本主義の終焉と歴史の危機」で「長い16世紀」という言葉に出会った感じを思い出していたら、本書もその本からの引用かなりありました。今から10年前に読んだとしてこの感覚が持てるかどうかはわからなく、世界が今までと違う論法で進んでいる、そして著者と同世代の自分だからの納得なのかな?と思いつつ、きっとしばらく本書に影響受けるだろうな。なにしろ巨人たちの理論を学ぶブックガイドとしても役に立ちました。