あらすじ
日本の不動産は「格差の時代」に入りました。我が国では、空き家が大幅増加、すでに1,000万戸の大台に乗っていると見られ、2033年には2,000万戸を突破、空き家率は30%に上るという予測もあります。
著者は、このような環境変化の中で、不動産市場は大きく3極分化するとみます。「価値維持あるいは上昇する 10-15%」「徐々に価値を下げ続ける 70%」「無価値あるいはマイナス価値に向かう 15-20%」です。
すなわち、9割近くの不動産は徐々にまたは大きく下落していくのです。
こうした大きな見通しのなか、不動産の見極め方、付き合い方、マンション・戸建て・中古の物件種別ごとの対処方法を紹介します。本書は2014年に刊行した『これから3年 不動産とどう付き合うか』を全面改訂したものです。
<本書の読みどころ>
・同じ市町村でも駅からの距離、地盤の質などによって明暗がわかれる。
・とりわけマンションは利便性がすべてであり、駅近物件以外は手を出すべきではない。
・これまで一軒家の価値は建てた瞬間から資産価値ゼロに向かって下がっていったが、これからは住宅市場データベースの整備によって、手入れ次第で価値を維持できる時代になる。
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Posted by ブクログ
かなり参考になった。
空き家リスクを定性的に考えるための情報が盛りだくさんだった。
生産緑地制度、居住誘導地域、沿線格差、災害可能性、駅距離7分、相続の資金移動、自動車中心社会から鉄道中心社会へ、省エネの義務は2020頃から
Posted by ブクログ
不動産業に努めているが、非常に勉強になる内容。
・株価と東京の都心部の不動産の動きが連動する。
・街のコンパクト化を見据えた物件選び
・地域の災害対応力の下調べ
・ホームインスペクションの重要性
・耐震性の定義
・中古マンションのリノベーションの注意点
・登記簿面積と実面積が違う事がある。
・申し込みには法的拘束がない
・管理規約の閲覧
・ホームステージング
など、お客さんの為になる内容がたくさん記載されてました。
Posted by ブクログ
1992年に生産緑地法が改正され、東京23区、首都圏などの政令指定都市において、固定資産税が農地並みに軽減される生産緑地制度が適用された。この適用期限が2022年に迎えて、全国で1万4000ha弱の住宅用地が放出される。
人間の平均寿命推計と同様の手法を用いると、木造住宅の平均寿命は65年、マンションは68〜150年。
ホームインスペクションの費用は、30坪の一戸建てで5〜7万円。3〜4時間でできる。
建築基準法は1981年6月に施行された。1983年以降に完成していれば、新耐震基準で建てられていると考えてよい。
水道の配管は30年経ったら交換時期。金属系の配管は錆びて赤水が出る。
中古住宅の申込みの際に、数万〜10万円程度の申込金を預けるのが一般的。契約に至らなかった場合は、返金される。
Posted by ブクログ
人口減少の日本、9割の不動産は下がっていく。自治体ごと、また同じ自治体の中でも居住誘導地域になるかどうかで、価値が変わる。
多くの人は損するとか儲けるとかより、安心して住んでいたいだけだと思うのだけれど、それで人生の資産の大部分が左右されてしまうというのは、何だかなぁです。