【感想・ネタバレ】十五年前のぼくのレビュー

あらすじ

新進の鬼才がはなつ、ノスタルジック・パニックホラー!

<あらすじ>
恋人と仕事を同時に失い、消沈する青年・永島英(ながしま ひで)。かつていじめられたトラウマから、彼は他者に向き合うことができなくなっていた。そんな永島の元に、廃校寸前の母校で小学校の同窓会を開催するという招待状が舞い込む。過去に向き合うため、永島は出席を決意するが、級友との旧交を温める間もなく、異変が起きた。校舎は突然不可解な闇に閉ざされ、窓も扉も開かない牢獄に変貌。そして何者かの校内放送によって、集められたクラスメート達は互いに殺しあいを命じられてしまう…!
これは凄絶ないじめの果てに廃人へと追い込まれた「山路君」の復讐なのか。それとも級友たちの誰かが企てた狂気のゲームなのか。隣の親友は、ほんとうに仲間か。仮面の巨漢・「十五年前のぼく」は何者なのか―!? 閉ざされた校舎から脱出するため、永島たちの絶望的な脱出行が始まる。

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Posted by ブクログ

理不尽な理由の稚拙なイジメに端を発した、壮絶な復讐劇。最初はあらすじを読む限りそんな話なんだろうな、と思っていた。
当たらずとも遠からずだが、ホラー&ミステリーレーベルなだけあって七不思議と絡めた展開はありきたりじゃなかろうか、と読み進めながら考えていた。
設定はありきたりでも、進み方はありきたりではない。
広げた風呂敷のたたみ方も、人物設定も細やかで流血表現に抵抗がなければ一読して欲しいかもと推奨できる。
始まりが理不尽だけに、終わりも理不尽で子供ながらの残虐性がどこか強調されているように思えた。
作中ではいじめっ子はその自覚があり残虐性がより強調されているが、無自覚ないじめっ子というよりも知らず知らずのうちに口車に乗せられていた側の末路も凄惨だ。
思わず自分の学生時代を振り返ってしまうほどに。
受け取り方次第では理不尽な出来事でも、いじめられた側にしたら当然の報いなんでしょうね、この出来事も。

十五年かけて成熟された恨みが同窓会というきっかけで爆発。加害者にしてみれば対したことでなくとも、やられた側にしていれば何年経っても恐ろしさは変わらないどころか増していく。
とても恐ろしい作品だった。
普段は別名義で活動されているようだけれど、誰だろう。別作品も読んでみたい

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2014年02月14日

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