あらすじ
利益のでない京都の院内店舗の再生を任された小山田は、不可解な行動をとったり、謎めいた商品を要求するお客に翻弄されるが……。
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Posted by ブクログ
病院のコンビニに求められるサービスは、他と違うのか。
キャメルマートのスーパーバイザー小山田昌司はその手腕を買われて京洛病院に入っている系列のコンビニの店長となる。前店長の経営方針を疑い、POSによる徹底管理を信条とする昌司が京洛病院の日々で気付いたことは。
お仕事モノだが、ポイントは病院の中のコンビニであること。そこの常連客は病院関係者、売れるものは何だろう、と考えるところから始まった。突然の入院で必要なものが売れるのじゃないか、怪我で入院して暇な人がいるから雑誌とかはどうだろう、それくらいしか考えられなかった。しかし、話は色々な方向に転がり、コンビニや病院の常識からいったん離れてみるような、そんな売れ筋商品のストーリーが展開されていく。経営目線で読んでも面白いかもしれない。
悪役かと思ったスーパーバイザーの平や霧島先生にも信念があり、それを知れば憎めない。とにかく悪役がいないのも読後感がよい。別に遠くからアドバイスを送って大活躍するわけでもない奥さんと息子も、なかなかの距離感で、どうして登場したのかと思いつつ、やはりいないと味わいが足りないだろう。
なんとなく、モデルの病院というか、ここなら合致するのではと思う病院がありますが、どうだろう。