【感想・ネタバレ】バッタを倒しにアフリカへのレビュー

大量のバッタやゴミムシの描写や写真があるため、虫が苦手な人は注意して読んでください。
ちなみに、私はこの本を読み、作者のバッタを愛する気持ちに触れ、虫に対する苦手意識が和らぎました。そういう意味では、虫が苦手だけど、克服したい人におすすめできる1冊かもしれません。

この作品はノンフィクションです。しかし、2年間かつ年間380万円という厳しい条件の中で、知恵を振り絞り、どうにかしてバッタに出会うまでの冒険物語として楽しめます。
また、作者が研究者として歩み始めるまでの物語としても楽しめます。
個人的には、バッタを追い求める生活の中でこぼれ話として紹介される食生活の話が面白かったです。

昆虫が好きな人はもちろん、わくわくしたい人、異文化に詳しくなりたい人、実験・研究について知りたい人、人生に対するやる気がほしい人はぜひ読んでみてください。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

バッタ研究者によるモーリタニア活動日記…ほぼ日記である。多少脚色はしているのかもしれないが「こんなことある?」の連続で読者を飽きさせない。バッタが見つからないので別の虫を研究してみたり、その別の虫を食べにきた動物を飼い始めたり、バッタの調査協力をしてもらうためにヤギをあげたり…「実践」とはドタバタ劇の連続なのだなとつくづく思う(ただし、著者が大分変わった人だからでは?という疑念もなかなか捨て切れないのだが)。
現代人はとかく結果のみに執着しがちで、過程を求めるにしても「きちんとした手続きを踏んでいるか」のみを基準にしてしまうことが多い。ただ人類の歴史を紐解くと常に試行錯誤の連続なのである。著者の研究のように、全く的外れのこともしながら手数を増やして少しづつ進んでいく…こういった泥臭さを今一度省みるべきなのかもしれない。

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2024年06月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

凄く面白いとの前評判はたくさん耳にしていたのだが、虫にあまり興味がない上に、表紙のイロモノっぽさ、あおりの下手な(読書前はそう思った)ナウシカパロディ…、俺の趣味じゃないやろなぁと敬遠してしまっていたのだが。

いや、先入観大間違い、この本すごく良い!大体掘り下げが弱いこの手の新書で、ここまで面白いのは珍しいと思う。表紙のイロモノにはイロモノの理由があり、ナウシカパロディの下手さは著者の愛すべき性格の一端であり、虫に興味なくても昆虫学を深く掘り下げるのがメインテーマではないのだから、先入観はすべからく杞憂。

博士号を持つ学者が自分の研究するテーマをいかに愛してやまないか、転校状態や懐の乏しさ時間との闘い等、研究の障害となること一つ一つに向き合い、解決したり諦めて受け入れたり、なりふり構わずあがいたり、そういう姿がカッコ良くて感動的で読ませるのだ。

世間にはいろんな問題が山積していて、息苦しくて窮屈で退屈な日々を憂いてる人も多いと思うし、時には俺もそうやけど、この本を読んだら「それでも自分が本当にしたいことに熱中してきちんと向き合おう」と思える勇気をもらえるのだ。それがもう圧倒的に気持ちよい読書体験となるのだ。

どうやらこないだ続編も出版されたようで、前野ウルド博士はご健在の様、ますますのご活躍を祈念しております。

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2024年05月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

冒頭から「ダイジョーブか…」と3回くらい呟いてしまった。ぶっちぎりに変わり者な著者である。バッタの触り過ぎでバッタアレルギーて…バッタに食べられたいて…
緑き衣を纏いて黒き群れに立ち向かうウルド浩太郎はさながら王蟲に対峙するナウシカである。顔しか轢かれなかったけど。
ぶっちぎりに変わり者だけれど、別次元の天才ではないようで、学者ではない一般人にも分かるように、エピソードを加えたり例えを用いたりしてとっても面白い「若手研究者のアフリカ滞在記」になっていて、読者がおいていかれない。置いていかれるのは激しいバッタ愛にだけ。優しい昆虫学入門書でもある。

ババ所長の懐の深さが物凄く頼もしい。思わず「ババ所長の本当の自然クイズ」を保存してしまった。環境や設備をどんなに整えても、計算が正しくても、自然には簡単に勝てない。
現地青年助手のちゃっかりティジャニにもほっこりしつつ、「ガバージュ」という、モーリタニアの女子児童を太らせる風習など、アフリカ文化を学ぶこともできる。

どうしたって行き詰まってる場面でも失わない根拠のない自信。こうじゃなくちゃフィールド・ワークはつとまらないんだろうな〜。

知るは楽し。続巻も読みたいと思います。

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2024年05月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ずっと気になっていて、やっと読めました。面白かったです。ドライバーのティジャニやババ所長とのやりとりが好きです。困ってる人がいたら手を差し伸べる。当たり前と思ってても出来てるかな?バッタ研究だけじゃなく、色んな事が詰め込まれたエッセイでした。

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2024年03月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分は博士課程を修了し、その後3年間のポスドク生活で修業生活を経験しました。そして2年間の素晴らしい海外留学!今となってはいい経験だった。論文もたくさん書いたし、ヨーロッパを満喫!でも2年後の就職のことはずーっと頭の片隅に。。運よく2年後に教員として採用してくれた大学に感謝。そこからも怒涛の引っ越し生活。研究者は必要としてくれる場所に行くべきなんだろうね!バッタ博士のパッションは心地よい!自分にはその勢いはあっただろうか?あの留学中の研究からさらに発展している。研究者のパッション、若い研究者に伝えよう!⑤

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2024年03月16日

ネタバレ 購入済み

作者のバッタにかける情熱が凄い

研究者という仕事の過酷さを知ったが、作者自身がユーモラスな方で、内容が重すぎずサクサク読めてしまった。
研究者として絶体絶命な状況であっても、どうにかして現地で研究を続けられるよう考えて、乗り越えられるのが凄い。発想力も凄い。

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2022年06月11日

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