【感想・ネタバレ】死と砂時計のレビュー

あらすじ

死刑執行前夜、なぜ囚人は密室状態の独房で斬殺されたのか? どうして囚人は、人目につく満月の夜を選んで脱獄を決行したのか? 墓守が自ら一度埋めた死体を再び掘り返して解体した動機は――。世界各国から集められた死刑囚を収容する特殊な監獄に収監された青年アランは、そこでシュルツ老人に出会う。明晰な頭脳を持つシュルツの助手となった彼は、監獄内で起きる不可思議な事件の調査に係わっていく――。終末監獄を舞台に奇想と逆説が全編を覆う、異形の本格ミステリ。第16回本格ミステリ大賞受賞作。/解説=円堂都司昭

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Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった。
死刑囚たちの死の前後のミステリ。
設定だけ特殊なただの短編集なのかと思いきや、ちょっと伏線が散りばめられてて最後幕切れのところでそれを回収して行った。

シュルツは実はアランイシダのお父さんで、TSウイルスキャリアである息子をなんとしても脱獄させてTSウイルスを生き延びさせてテロ行為をしたいという話だった。読みがいありました。

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2025年09月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

死刑囚ばかりの終末監獄で起きる事件。それを解決するシュルツ爺と主人公の日系アメリカ人アラン。
舞台は現代のようだけどなんとなく昔のエジプトを想像しながら読んでしまったので、タッチパネルとか普通に電子機器出てきて脳が混乱した笑

短編集のつくりだったので読みやすかったけど、ミステリーとしてはオチはそれぞれちょっと物足りなかったかな…
アランが役に立つからと助手として選ばれるにはいつまでも察しが悪いボンクラのままだなと思ったけど、最終章で訳がわかる。まあその前に読者はオチも読める。
でも最後の最後の胸糞感はなかなか悪くなかった。
シュルツ老の子どもたち…テロリストはやっぱりサイコ野郎だったか。

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2025年07月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「世界を舞台に暴れまわる」の主語に、ゾッとした。
最後の数行に、ギュッと凝縮して種明かしがされるが、簡潔な数行に心が振り回された。

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2025年04月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集の形でありながら、一冊を通読したときに、あの出来事もすべてはこの結末のための伏線だったのだと明かされる。
アランが主人公の体裁ではあるが、その実、陰の首謀者は別の人物であった。
アランの生い立ちが語られる段階で、この人物が本当の父親なのだろうと推測できるが、その後の行動をみると、一見父親としての思いで動いているようにみえるものの、最後にそれも読者の勝手な思い込みで、利己的な動機であることが明らかになる。
本作をイヤミスとするのかどんでん返しや伏線系とするのか、はたまたそれ以外なのかは人によって変わるだろうけれど、一つ一つの話は決して読みにくいものではないので、あっという間に読み進められる。
その点において、本作はエンタメ小説でもあると言えるだろう。個人的には伊坂幸太郎のマリアビートルを読んだ時の感覚に似ている。(当然ながら話の内容が似ているわけではない)

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2025年03月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

世界各国から死刑囚を引き取って収監するという特殊な監獄を舞台にした連作短編集。
やや奇想が過ぎるが、どの短編も面白く読めた。
ミステリで連作短編集だと、最後の短編が「それまでの短編をひっくるめてどんでん返し」というパターンのものがあるが、本作の最後の短編もその類。ただし「自分の子供を想う気持ち」の「自分の子供」という語句が、本作の主人公であるアランを指し示していないのがイヤミス的でゾクゾクするエンディングだった。

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2025年01月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一つ一つの物語は面白かったし設定も好きだったけど、最後の方がありきたり、無理矢理感があって萎えてしまった。

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2025年07月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

世界中の死刑囚を集めたジャリーミスタン終末監獄で起きる事件を、シュルツ老人と助手の青年アランが解決していくお話。

特殊な設定で、面白い世界観。
シュルツとアランの本当の関係は、なんとなく予想できてしまった。
アランの死刑に至るまでの日々の描写が妙に生々しくて恐ろしくて良い。

で、そのアラン君を、助けにきた父。
その場面は感動的なんだけど、最後の最後の一行で、その感動が台無しになるくらいの大どんでん返し。
あ、そうきたかーって感じ。
正直、個人的にはあまり好みじゃなかった。
じゃあ、どうすれば面白かった?ってなると返答に困るんだけど。
そもそもあまりこの二人に感情移入できてないから、ハラハラしなかったんだよなーっていう。
後味悪い感じで終わるのか?
いや、親父助けに来たぞ?
あー普通の終わり方かー。
あれ、最後そういう感じ? みたいな ^^;
ひどく冷静な読み方になってしまったのは、残念。

それ以前の個々の謎解きは面白かったです。

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2025年03月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

正直終盤までは驚きの少ない謎解きで退屈な作品だと思った。

終盤から主人公が監獄に入った経緯など生い立ちが明かされていき、面白くなるのだが父親が誰かは安易に分かってしまったので残念(事前に匂わせすぎだと思う)

唯一驚きをもらえたのはシュルツは好々爺になったかと思っていたが、最後までエゴの塊であり、
息子を脱獄をさせたのは救うためではなく自ら開発したウイルスの唯一のキャリアを世には放つためで(も?)あったこと

脱獄後に息子は発症したのかや、世界にウイルスが広がったのかという、「いったいどうなったんだ!?」とモヤモヤさせて心を離さないという点で、記憶に残り続ける作品になりそう

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2025年01月26日

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