【感想・ネタバレ】ニューロマンサーのレビュー

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Posted by ブクログ 2023年07月28日

カウント・ゼロを読む前に再読しました。前回読んでから今回までの間に数百冊は海外SFを読んだけどやっぱ凄い

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購入済み

 

匿名 2022年11月11日

難しかった。
サイバーパンクってことで読み始めたけど、頭に入りきらないところがあった。
内容の半分も理解できていない気がする。

#深い #カッコいい

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Posted by ブクログ 2022年10月31日

最高の体験だった。最初は戸惑ったが、読み進めていく内にまるで映画を観ているかのような映像が頭に思い浮かぶほど、スリリングで、ハラハラして、緊迫感があり、かっこよく……。どれをとっても文句ないジャック・イン体験だった。

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Posted by ブクログ 2021年02月03日

言わずと知れたサイバーパンクの始祖。
冒頭から特殊な用語が連発され、怒涛のごとくイメージの洪水を浴びさせられる。単語の意味を把握するのが大変で、読み進みにくいということでも有名だ。急な場面転換、つかみにくい人物の行動に混乱することも。500ページ超の大作ということもあり、小説としては読み切るのに気合...続きを読むがいる類だが、それだけの見返りはある。個人的には第二部のラストから突如面白くなってきて興奮した。挫折している人には、後半は面白くなるから頑張れ、と無責任に言っておく(笑)。
数多の映画やアニメなどに影響を与えた起源ということで、源流的な素朴さを想定して読んでみたが、以外にもこのジャンルで考えられそうなすべての要素がすでにあるのでは?と思うほど盛りだくさんの密度がある。「原点にして頂点」という言葉があるが、サイバーパンクでこれ以上他にやることがある?と思ってしまったほどだ。ラストの数ページでさらにガツンとやられ、 [ヒューゴー賞・ネビュラ賞] 受賞の文字が頭に染み込んできた。なるほどの衝撃だ。
作中で描かれる電脳空間を中心としたSFガジェットは、時代が進むにつれますますリアリティを増している。1984年の小説にもかかわらず、古さを全く感じさせないのはそのためか。きっとまた読みたくなる作品だ。

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購入済み

生粋のSF

2020年06月03日

近年SFとファンタジーの境目が曖昧になっているが、この作品はさすが、SF感に満ち溢れていて、空気感が素晴らしいと思いました。

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Posted by ブクログ 2019年10月18日

ギブスン初読。というかサイバーパンク初読。「ブレードランナー」「JM」「マトリックス」等を観ていれば、脳内イメージはバッチリ。1986年出版(日本での)当初に読んだ方々と、そんな時代にこんな小説を書いたギブスンに敬意を表したい。あと、黒丸さんの訳が読みづらいと感じる方が多い様だが、この訳だからこそ良...続きを読むかったのではないかと思う。

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Posted by ブクログ 2024年03月03日

初めは訳わからないが、後半に連れて徐々に世界観が分かっていくタイプ。
細かい発想が非常に奇抜で、キャラクターもパンク。めちゃくちゃ好き。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年01月08日

・あらすじ(ネタバレ)
冬寂(ウィンターミュート)というAIシステムがニューロマンサーというAI人格と合体することで完全体になるという裏の企みに気づかないまま、ケイスやモリイ率いるハッカー集団がアーミテージ(冬寂に精神を操られている元軍人)の指示のもと巨大企業のセキュリティ上、冬寂自身に備わった防御...続きを読むシステムである氷(アイス)の解除を目指すお話。

この作品はサイバーパンクという世界観を初めて作り出したSF作品の金字塔と言われている。マトリックス、攻殻機動隊、ノーラン映画、Cyberpunkに大きな影響を与えた。

・感想
世界観はもちろんのこと、主人公ケイスの心情の変化が複雑に描かれていて度肝を抜かれた。
個人的に、不完全体の冬寂(AI)の内部にハックすることは、ある意味でケイス自身が抱えているかつての栄光からの堕落やリンダリーを失ったことに対する喪失感などの心の暗部に潜入してそれを解放することをメタフォリックに描いてるのではないかなと感じた。
まさにインセプションで、主人公がミッション遂行に近づくにつれて夢の中に亡き妻(モル)が突如現れるように。。

ドラマ的にも素晴らしい作品だった。
天才的という一言に尽きる。

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Posted by ブクログ 2023年07月29日

1984年、若手作家ウィリアム・ギブソンがとんでもないSF小説を出し、翌年のSF関連の賞を総ナメした。
それがこの『ニューロマンサー』

「Windows」はまだ無く「パソコン」という言葉もできていない、ましてや携帯電話もインターネットも普及していない時代だが、SF界は活気にあふれていた。

そんな...続きを読む中でも、コイツは他とまったく違った。

とにかく、読んで理解しようとするとサッパリわからないのに、200ページぐらいしてから感覚でわかったような気がしてくる。
不思議なんだなぁ。

この作品から「パンクSF」という言葉ができた。

押井守や大友克洋(AKIRAは同年刊行)のアニメをイメージして読んでいくととても面白いものであることに気がつく。

名作!(パチパチパチパチ……)

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Posted by ブクログ 2022年10月24日

知ってるのが前提になっている、分からない用語の氾濫。終始置いてきぼりにされてしまいましたが、読み勧めていくとメチャクチャ面白い作品だということがなんとなく理解できました。
ちゃんとした知識武装をした上でもう一度読んでみたい。

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Posted by ブクログ 2022年03月23日

――


 1984、呪いの数字よ。



 1984年に何があったかと云えば、まぁとりあえずビューティフルドリーマーとナウシカが公開され、妖精作戦が書かれ、トワイライトゾーンとゴーストバスターズとコアラが上陸し、エリマキトカゲが必殺仕事人に出て、Macintoshが発表され…ってなんか特別な年のよ...続きを読むうでもあるけどこの頃って1年前にも1年後にも何かしら名作だとかセンセーショナルな何かが起きているんだろうと思う。そういう時代よね。だからこそ1984なんて予言めいた作品もあったわけで。ぁあT-800がタイムアウトしてきたのも1984年だっけ?


 そんな1984年発表の本書。ブレードランナーから始まったムーブメントが形になってサイバーパンクと云う言葉が生まれ、これはイメージなんだけど、このへんでSFが人間の元に帰ってきたというか、SFを通じて何を書くか、描くかという、人間の写し鏡としての役割を得てきたように感じる。このへん、新本格ミステリがミステリの枠組みの中で謎自体を主題としなくなるのと、成り立ちとしては似てるのかしら。


 にしてもこんなに芯に刺さる物語展開だったか。新鮮な驚きも多くあり、不朽とはこのこと。
 原風景のひとつ、である。
 ☆4.2

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年09月29日

“サイバーパンク”の代名詞ともなっている長編SF。『ニンジャスレイヤー』シリーズに多大なる影響を与えたとのことで読んでみたけれど、確かに多彩なイメージに溢れていて、他にも多くのフォロワーを生んだことも頷ける。ハードボイルドな語り口も決まっていた。
タイトルの『ニューロマンサー』は(「ネクロマンサー」...続きを読むを“死霊術師”と訳すなら)さしずめ“神経細胞術師”とでもなるか。ハッカーたち、またAIたちの戦闘や、近未来の奇妙な街と人々、内的世界へのリンクなど魅力的なモチーフが多かった。それらを殆ど説明もなく提示し続ける硬派な文体は、読みづらくもあったけれど読み応えもあった。

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Posted by ブクログ 2021年06月13日

サイバーパンクSFの金字塔。
またしても名作巡り。
そして今読んでも全く古びていない凄いエネルギーを感じる作品だった。

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Posted by ブクログ 2021年01月02日

“サイバーパンク”の代表作って?と思っていたけど読んで納得。これはサイバーパンクだ笑!
分かりきっていないところもあるのだけど、それを差し引いてもの疾走感とサイバーパンクさ?がcooool。楽しかった!最後の終わり方(通信相手)もグッときた笑2021年読書はじめに刺激的な一冊!

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Posted by ブクログ 2020年11月23日

攻殻機動隊のソース、サイバーパンクの元祖。

現実世界とマトリックス世界では、生の概念が違う。現実世界の生(肉体)に縛られながら、マトリックス世界でしか生きられないケイスは、肉体を「肉」と呼び、忌み嫌い、敢えて破滅的に生きているように思う。

イェヘユァンはどんな味がするのかな。

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Posted by ブクログ 2020年07月25日

三十年振りぐらいに読んだ。全くストーリーは覚えてなかったけど、八十年代の作品とは思えない出来映え。さすがに古臭くなってる描写もあるけど、まだ今より先を行っている想像力は、当時はインパクトあったろうな。今はこの世界観の模倣が当たり前になってるから、これだけではなんとも、だけど。テクノロジーの進歩で変わ...続きを読むってくものって案外早い。スマホだって出来て十年だし、十年先には無いかもしれない、なんてことを考えると、やっぱりすごい作品だな、と。

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Posted by ブクログ 2019年11月30日

なんとなくわかるけど、わかるんだけどもモヤモヤする…と思いながらで、読めなくなることしばしば。でも、クライマックスでようやく慣れて読み終えることができた。

途方に暮れるたびにネット検索して、ネタバレ覚悟で書評を読んで戸惑いながら読む人が多いことに励まされた。読み応えのある書評じゃなくても、感想を書...続きを読むき残しておく意義を教えてもらった本。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年11月26日

時代の仇花で終わってしまった感のある『サイバー・パンク』。
その最高峰に位置する作品。
インターネットが発達した現在に読み返してみても、
作品に与えられた疾走感は古さを感じさせない。

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Posted by ブクログ 2024年04月20日

癖のある翻訳の文体は評価されているんでしょうか? 「時計仕掛けのオレンジ」も癖強いけど、ここまでではなかった。
癖のある文体が、退廃的な世の中や、人なのか人工物なのか曖昧な存在を表すのに一役買っているような気もするけど…。
内容は読み進めながら、ラノベみたいな話だなと思いつつ、これが最初なんだと思う...続きを読むと、当時の人は興奮しただろうなと思う。
人物紹介と語句の説明がすこしでもあれば、もう少し読みやすかったかなと思う。
いまだに「転じた(フリップ)」の意味がわからず…。

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Posted by ブクログ 2023年11月27日

SFへの興味に自覚的になったので意を決して読んでみた。

世界設定のようなものはなんとか理解できたものの、電脳に関するものがあまり理解できなかった…あとは読んでいる最中、何が起こっているのかふわっとした説明を考えながら繋いでストーリーを作っていくので、忙しい時期に読むものではなかったなと思ってしまっ...続きを読むた。逆にいうと次に何が起きるのか本当に予想できないのでそこに対する面白みがあった。

毒を含んだ銀色の空や自由界にある偽物の自然の描写が読んでて一番印象に残った。
不自然な自然の模倣。公害によって自然が崩壊した世界。そこでは自然が何よりも高級調度となっており、日焼けのような自然との関わりがあるという証明がリッチであることを示している。その一方で、そのために作られた模造の自然は人にとって過ごしやすいような、いわば不自然な自然。ちょうど、青い薔薇のようなものばかり。そうしたものが格差の根拠とも視えるとかそこに対して人々は何をさらに見出すのかとか考えて読んでしまう自分は、アンドロイドは電気羊の夢を見るか?のが好きなんだなと思ってしまった。

攻殻機動隊を観たあとのこれはあぁでこうなのかとかを長い月日をかけて考える問いがあまり見出だせなかった自分の読み込みの甘さを感じた。

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Posted by ブクログ 2023年10月10日

現代におけるSFの原風景のひとつ。ネオン、退廃的な荒廃、神経的な電子網、仮想空間。
イメージのフラッシュが著しい。読み込み甲斐があるだろう。これを1984年に読むという体験をしてみたかった。

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Posted by ブクログ 2023年02月01日

 かつて読んだがキャラがいつの間にか増えたり、主人公がどっかにいったり、話の展開がおえず諦めてしまった。今回は思い切ってアレクサに最初から最後まで読ませてみた
 目で見ても耳で聞いてもやっぱり物語の展開を追うのは難しい。辛うじてAIとかとある一族とかそういう大筋の流れがわかる程度である。
 ただニュ...続きを読むーロマンサーは情景描写に力を入れてるので物語を特に意識せず、ただ流れてくる独特な情景に耳を澄ますのは悪くない。もう一度読むなり聞くことがあるなら各章のあらすじと登場人物はチェックしてから読もうと思う

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Posted by ブクログ 2023年01月03日

・文体と世界観に圧倒される強烈な読書体験。ただ、物語の内容はほとんど理解不能。
・第1部『千葉市憂鬱』まではなんとか話を追えたけれど...。第2部以降は、誰がどこで何をしてるのか、ほぼ把握できなかった。文体の難解さと、用語の膨大さがえぐい。でも、そこが魅力でもある。
・独特な文章と設定を流し読みする...続きを読むだけでも楽しめた。千葉シティ! クローン忍者! ラスタファリアンのスペースコロニー!

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Posted by ブクログ 2022年12月04日

サイバーパンクという分野そのものを確立した作品。やっと読みましたがすでに頭の中にその後のサイバーパンクの世界観が出来過ぎてるからかなかなか読みにくかった。勢いや雰囲気は素晴らしい。特に千葉シティのなんともいえないアングラな世界観は流石に分野を確立した作品。

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Posted by ブクログ 2022年03月07日

84年の作品らしい。解説だと面白いとか絶賛されているが合わなかった。読むと眠くなる。映像的な作品なんだろうなあと思いつつ、情景は常に頭に思い浮かんでいた。そこは凄いと思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年10月02日

サイバーパンクの始祖と言われているだけあって、キャラクター描写、スラム街の風景、仮想空間の描写はめちゃくちゃかっこよかったのですが、専門用語に対して細かい説明は抜きにしてガンガン話が進んでいくため、読むのに苦労しました。ウィンターミュートとニューロマンサーはテスィエ=アシュプール一族の作り上げたAI...続きを読む(自分たちの繁栄を永遠に維持するための)だったけれど、その機能を逸脱した存在になってしまって、最終的には合体してどこかに旅立ってしまったという理解で良かったのでしょうか…、、
モリイがクールな女でかっこよかったです!

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Posted by ブクログ 2021年06月21日

『ニューロマンサー』を読んでいると言ったら、「あの表紙のかっこいいやつね」と言われました。現在のハヤカワ文庫版の表紙は木山健司によるもの。
ちなみに2016年に発売されたイギリスの出版社ゴランツ版のカバー・デザインもめっちゃかっこいいです。
どちらもデジタルなパッチワークみたいで、ひと目見ただけでは...続きを読む何を表現しているのかわからない。それはそのままこの作品世界のようです。

「サイバーパンクの代名詞的作品」と言われるように、『ブレイドランナー』的な暗い空に覆われた千葉シティから始まり、体にぴったりと沿う黒い衣装に身を包んだ草薙素子のようなヒロイン、電脳世界に没入(ジャックイン)する主人公、光を帯びた恒温ファームのベッドなどなど、サイバーワールドな世界観にしびれます。
といってもそれは『攻殻機動隊』とか『マトリックス』とか、『ニューロマンサー』に影響を受けた映像作品を見ているからある程度頭の中で映像化できるのであって、インターネットでさえまだ概念のみだった1984年にこの作品が書かれていることに驚きます。
(ギブスンが未来を予言したというより、現実がSFの世界観を模倣したようなところもありますね。)

500ページという長編なのに加えて、この世界観を咀嚼していくのがなかなか難しく読むのに苦労しました。
たとえば「〝フラットライン〟は、アーミテジがこっちのホサカを消したと言っていた」というセリフ。
フラットラインは伝説的ハッカーの呼び名であり、故人であるが彼の思考は「構造物」としてデータ化されており、主人公とともにハッキングを行なう。
アーミテジは主人公の雇主であるがその正体は元軍人コートで、冬寂(ウィンターミュート)というAIに操られている。
ホサカはメーカー名でホサカ製コンピューターのこと。
というのを理解してないと何言ってるのかわかんないんですが、こんな感じで固有名詞がバンバン出てきます。

後半では、主人公ケイスとフラットラインの会話、モリイの視覚映像、冬寂(ウィンターミュート)が送り込んでくる映像、ケイスの実体が存在するコンピューターの前と目まぐるしく場面が転換(フリップ)するので、今読んでいるのがいったい誰の映像なのか混乱してきます。

抽象的で哲学的なところもあり、結局何がどうなったのかよくわからないままに読み終わったのですが、流れるようなサイバーワールドのイメージは圧巻でした。

故人の思考がデータ化されているといってもまだインターネットのない時代なので、「構造物」はおそらくHDD的なものに収納されていて、1980年代だからそうとう重いはずのそれをハッキングする場所まで抱えて移動していたり、ソニーのモニターとか、サンヨーとか富士通などの名称がでてきたり、日本人の忍者が目をやられても「禅で」弓を射ることができたり、いろいろ笑える日本観があったりもします。

『マトリックス』は直接『ニューロマンサー』の影響を受けているので(もともとは『ニューロマンサー』の映画化企画だったとか)、アーミテジはローレンス・フィッシュバーンのイメージで読みました。


以下、引用。

「恐怖に耳を傾けな。それこそお友だちかもしれない」

「冬寂(ウィンターミュート)は、AIの認識記号なんだ。ここにチューリング登録番号も持っている。人工知能(AI)なんだよ」

小柄な男。日本人で、とんでもなく礼儀正しく、明らかに槽(ヴァット)培養の忍者暗殺者(ニンジャ・アサシン)の特徴を帯びている。

代書屋がニ、三人、戸口で雨やどりしていて、古い音声プリンタを透明プラスティックにくるんでいる。ここではまだ書き文字に権威があると見える。停滞した国なのだ。

「自由世界(フリーサイド)まで、どのくらいかかるのさ……」
「長くないがや、ほんと」
「あんたたち、何時間、とは考えないの……」
「姉さん(シスター)、時間つうんは時間、わかんねえかな。ドレッドがよーー」
と髪の房(ドレッドロック)を振って見せ、
「ーー操縦してんだが。わしぃら、自由世界(フリーサイド)に着くときには着くてばーー」

別のテーブルでは、広島木綿に身を包んだ日本人妻三人が、〝さらりまん〟の夫たちを待っている。

「あんた、自分自身を憎んでるのかもよ、ケイス」

「例の木の話と同じさ。森の中で倒れても、それを聞きつける人間がいない」

「心は〝読む〟もんじゃない。いいか、あんたですら活字のパラダイムに毒されてる。読むのがやっとのあんたですら、な。おれは記憶に〝出入り(アクセス)〟することはできるけど、記憶は心と同じじゃない」

《ハニワ》はドルニエ富士通造船所の産物であり、内装に垣間見えるデザイン哲学には、イスタンブールを連れ回してくれたメルセデスと一脈通じるところがある。

一世一代の名演。格闘技テープーーそれもケイスが観てきたのと同じ、安いやつーーを生涯、観察してきたことの結晶だ。しばらくの間、モリイは、あらゆる汚れたヒーローーー昔のショウ・ヴィデオのソニー・マオ、ミッキー・チバ、遡ればリーやイーストウッドにつらなっていく。

スクリーンの下にはソケットが四ヵ所あったが、日立の調整(アダプタ)プラグに合うのは、ひとつきり。

「ヒデオは真暗闇でも射るのよ。禅ね。そうやって練習しているんだもの」

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Posted by ブクログ 2020年11月15日

元祖サイバーパンク。読み辛かったけど、すごい既視感があった。調べてみたら士郎正宗が影響を受けて「攻殻機動隊」を作ったらしい。あと「AKIRA」とか「サイコパス」もぽい。最近見た「レディ・プレイヤー1」の現実世界もぽいなと思った。イメージに既視感があるというのは名作の証なんだと思う。とにかく読み辛かっ...続きを読むたけど、読後はめちゃくちゃワクワクした。

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Posted by ブクログ 2020年09月29日

専門用語が多く、登場人物の会話がオシャレ過ぎて内容が掴めない。こちらの想像力が及ばず情景をイメージ出来ないまま新たな場面が展開していくので、常に置いてけぼりを喰らっている感があった。
こういうのも本書の魅力の一つなのかもしれないけど、個人的にはただただ読みづらく苦痛でしかなかった。
不朽の名作とされ...続きを読むている作品だし、何度も読めば楽しさが分かるのかも。それまでは星3で。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年06月18日

伝説的な電脳カウボーイ、ディクシー・フラットラインの愛弟子として飛ぶ鳥を落とす勢いだったケイスは、取引先を裏切った報いに電脳空間にアクセスする能力を奪われてしまい、汚濁と絶望に埋もれる千葉シティでチンケな仕事をこなして糊口を凌いでいた。くさったケイスの前に現れたのは、女サムライのモリイと、彼女を雇う...続きを読む謎の男アーミテジ。ケイスの<ジャック・イン>能力を復活させることと引き換えにアーミテジが提示したのは、何やらヤバそうな電脳空間での任務だった。目の前で愛するリンダを殺されたケイスは、半ばヤケクソで危ない橋を渡ることになるが・・・。

SF者なら説明不要、SF者でない人も場合によっては知っている、泣く子も黙る「サイバーパンク」の金字塔。
1980年代に物凄い勢いで盛り上がり、あっという間に失速していった、あのムーブメント(今にして思うと、失速すると同時に、現実に取り込まれて消費されていったのだなー、と実感します)。
不肖鴨、10代の頃に一度チャレンジし、全く意味が分からなくて途中で投げ出した代物です。今更読む必要ないかなと勝手に判断し、それ以来ずっと手に取らずにいました。最近、古典も読んでみようかなという気になり、半分シャレで久しぶりに新装版を購入して読んでみました。

・・・なんだろう。この、行間に見え隠れする、例えようもない「哀感」は。

発表当時は最先端の「尖りまくった」作品で、来たりくるインターネット世界を可視化した独特のビジュアルや造語だらけのグルーヴィでエッジィな文体、それを見事に日本語化した黒丸訳の独創性といった「ぱっと見」のユニークさが、分かりやすいが故に先行して広まっていき、そのイメージが確立してしまっている作品だと思います。その特徴は、今読んでも全く変わっていません。相変わらず「ぱっと見」は派手派手しいし、かっこいいけどなんだかよく分からない描写もこれまでのイメージ通りです。

でも、この歳になって改めて読んでみると、そんな独特の筆致で描かれているのは、様々な「想い」を抱えた生身の登場人物たちの、魂の相剋である、と気づきます。主人公のケイスが見て、感じた情景をほぼ一人称的に描いていくこの作品において、物語の終盤近く、ケイス自身の客観的な姿を初めて描くシーンがあります。そこで描かれているのは、颯爽と電脳空間を疾走するケイスという男が、青ざめた顔色で醜い痩身を胎児のように丸め、端末を必死に弄っている姿。彼の雇用主であるアーミテジは、AI「冬寂<ウィンター・ミュート>」に操られる肉人形に過ぎず、自我を取り戻すと同時に自我崩壊して死亡。最後までケイスに付き合うモリイもまた、かつて相棒となった男を守りきれなかった悔恨に苛まれ、悪役の3ジェインは己の置かれたおぞましい立ち位置を虚無的に受け入れ、露悪的な振る舞いに徹しています。物語の黒幕である「冬寂<ウィンター・ミュート>」ですら、自我の閉鎖性に耐えられず、多くの犠牲を出してまで他者と融合し進化を遂げようとします。
登場人物(一部は人物ですらありませんが)の全てが、寂しさと自己嫌悪と虚無に苛まれ、ブレイクスルーを求めてもがきつつも、結局ほとんど変化できずにそれまでの人生を繰り返す、ある意味極めて人間的な世界。
「ぱっと見」に騙されてはいけません。浪花節的、といっても差し支えのない、エモーショナルな作品です。

・・・が、読みづらいことに変わりはありません(^_^; ので、これからチャレンジする方は、その点御留意を。
読んでおいて損はないですよ!

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Posted by ブクログ 2020年09月27日

何が起きているのかよく分からない場面が多々ある。それだけ世界観が現実離れしすぎている。
が、この作品は凄い。とにかく凄い。こんな小説は今までに読んだことがない。独創的な言葉の数々が縦横無尽に脳内を駆け巡り、未だかつて見たことのない世界へたちまち誘われる。

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Posted by ブクログ 2019年12月01日

・やっと読んだ。普通な印象かつ、かなり描写についていけなかった。

・印象が普通なのは、やはり時代性。当時は鮮烈だったと思うのだが、「攻殻機動隊」も「マトリックス」も体験した後だと、鮮烈さはなくなる。もちろん、順番は逆。また、当時に読んでたとしたら、多分、全くついていけなくて、メディアで見てはじめて...続きを読むイメージできたのだろうなと思う、情けないけど。

・「ディファレンス・エンジン」もそうだったのだが、どうもギブスンとは相性が悪いのか、イマイチ、ピンと来ない。これは理解力の低さなのか感性の老化なのか...。

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