【感想・ネタバレ】熱狂する社員 ― 企業競争力を決定するモチベーションの3要素のレビュー

あらすじ

「働く喜び」のある企業が生き残る
どうすれば人は仕事に喜びを感じられるのか。モチベーションを刺激し、仕事に「熱狂する」社員を生み出すためには何が必要なのか。世界250 万人への調査から「働くこと」の真実が見えてきた。真に社員を大切にし、個々人の可能性を最大化するマネジメントの在り方と改革のプロセスを鮮やかに描く。
●社員の「やる気」が企業の力を決定する
ある調査によれば、現代日本では、20代~30代の正社員の実に75%が、仕事に対してやりがいを感じていないそうです。若者の早期離職やニート問題なども叫ばれています。経済・ビジネス環境が劇的に変化しつつある今、社員と会社の関わり方もまた、大きく揺れ動いているようです。
人材の流動化はますます進んでいます。仕事の「やりがい」に悩む人々が後を絶たない一方で、企業の側も、社員に「やりがい」を与えられなければ、優秀な人材をたちまち逃してしまう時代になりました。企業の業績が、社員の「やる気」に、これまで以上に左右される時代になったと言えるでしょう。
では、モチベーションを高める企業とは、どういうものでしょうか?
人は、どんな仕事や、職場であれば、意欲高く働けるのでしょうか?
この問題に、骨太の人材マネジメント論で挑んだのが本書『熱狂する社員』です。

●世界250万人の「現場の声」に取材
モチベーションの秘密を解き明かすため、著者たちは世界各国、総計250万人にもおよぶビジネスパーソンへの取材を敢行します。
IT企業のエンジニア、大手製造業の社員、大好きだった職を失ったビジネスマン、パートタイム労働者、経営管理に日々頭を悩ます管理職、ボタン工場の職人、等々・・・立場も職種も国籍も人種も異なる膨大な「現場の声」に耳を傾けることで、すべての人が仕事に求めるもの、その本質を探ります。

●本当の意味で「良い会社」とは?
著者たちは、仕事へのモチベーションが大きく公平感・達成感・連帯感の3要素によって説明可能であるとしたうえで、それぞれを高めるための具体的な施策と指針を提案します。
人はどうすれば気持ちよく働けるのか。どうすればモチベーションを高められるのか。仕事に「熱狂する」社員を生み出すために、どんな施策や組織的枠組みが必要なのか。硬直的な官僚主義にも、極端な成果主義にも走らず、「社員の可能性を最大限に引き出す」マネジメントと組織の在り方を提唱しています。
「働きがいのある職場とは何か」、「真に“良い会社”とは何か」、という問いへの回答は、マネジメントの側にいる人にとっても、職場を選ぶ立場にいる人にとっても、多くの気づきをもたらすでしょう。

●今こそ「人間尊重の経営」へ
本書の基底には、「社員にとって働きがいのある企業こそ、長期的な好業績を実現できる」という著者たちの信念と、人間性への深い洞察があります。そして、250万の現場の声は、彼らの信念を裏付けるものでした。
真に社員を大切にし、可能性を最大限に引き出すマネジメントと職場の在り方、そして改革の具体的なプロセスを、鮮やかに描き出した本書は、米国ではペンシルバニア大学ウォートン・スクール出版部から刊行され、大きな反響を呼んでいます。ここ数年、大きな変革の中にある日本のビジネス人にとっても、本書のメッセージは示唆に富みます。
経営者やミドルはもちろん、仕事の「やりがい」を求めるすべてのビジネスパーソンに、多大な示唆と励ましを与える一冊と言えるでしょう。

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Posted by ブクログ

まだ、顧客満足度CSに対する、従業員満足度ESという言葉すらなかった時代の一冊。

しかしながら、(アプローチの仕方こそ、それぞれの時代を反映するとしても)企業が特にその人事諸制度においてマネジメントすべき指標が、公平感、達成感、 連帯感の三つであるという点は今日も変わらず大事にすべきポイントではないでしょ うか。

多民族国家米国における研究だったからこそ、汎用性の高い人事マネジメント手法と して昇華されているのではないかと感じました。

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2014年08月26日

Posted by ブクログ

"The Enthusiastic emoloyee". Three factor of motivation is sense of fairness, achievement, and solidarity. This book collects lots of data from various company emoloyees and states some useful information for manager side person. I agree with lots of opinion in this book because I had experienced in the past.やる気の源泉は、公平感・達成感・連帯感の3つであり、その詳細を書いています。多くの企業の現場の声もありますし、私自身、日本ではやる気の源泉を3つとも削がれた経験があるので大変共感ができるないようでした。上司とか部下とかだけじゃなくて、一人の人間として考えて接しましょう。

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2019年08月11日

Posted by ブクログ

モチベーションの3要素とは
・公平感 ・達成感 ・連帯感

この本はアメリカ的な企業が中心、日本に当てはまる部分もあれば、そうでないところもある。


P150
ビジョナリーカンパニーより
アメリカ各社の企業理念
ジョンソン&ジョンソン
我々の責任には序列がある。
1番目が顧客、2番目が従業員、3番目は社会、そして株主は4番目である。

P159
勇気ある経営ー最新経営イノベーション手法を超えて
日経bp社 1996

P201
仕事におけるプライドの源は3つある。
「生産性の高い仕事をする」
「価値ある能力をいかす」
「重要度の高い仕事をする」

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2019年01月08日

Posted by ブクログ

社員のモチベーションを決定する3大要素とは、「公平感」、「達成感」、「連帯感」。これは、XP(ソフトウエア開発手法)の実践においても実証されていることであり納得できる。残念ながら、これら要素に対して、我が社は考慮が足りていない(たとえば、一度給料が上がるとそれにふさわしくないアウトプットであってもそう簡単には下がらない。こんなアホみたいなことしているから、会社がつぶれう)。

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2018年10月23日

Posted by ブクログ

一、全体として何に関する本か
 著者は88カ国、二三七社におよぶ民間企業、公的機関、非営利団体の二五〇万人の被雇用者を対象に調査を行った。アメリカンエクスプレスやバンク・オブ・アメリカ、スターバックス等、注目に値する長期的な好業績を見せた企業は、業種、所在地、ビジネスモデルの特徴を見ても、共通点はほとんどない。しかし、一つだけ共通点があり、それが「社員の士気」である。著者の考えでは、長期的に好業績を上げる会社の秘密は社員の士気であり、士気の高い情熱的な社員を育む企業の経営について書かれている。

二、何がどのように詳しく述べられているか
 人は仕事や職場に何を求めているのか?それは「公平感」「達成感」「連帯感」の三つしかなく、この三つ全てを満たすことが、真に長期的な好業績を上げる企業としての必要条件であり、情熱的な社員を育むことができる。
 「公平感」は正当な生理的条件(職場環境や労働条件など)や正当な雇用保障や給与水準などから生まれる。「達成感」は仕事自体のやりがいや仕事の重要性、会社への誇りなどから生まれる。「連帯感」は個人として仕事をしているのではなく、チームとして仕事をしているという実感から生まれる。
 この中で最も重要な要素は「公平感」であり、社員が根本的なレベルで不公平感を持っている環境では、たとえ会社がやりがいのある仕事を与えても社員のやる気を喚起することはできないという。
 ただし、ここでの「公平感」は皆が平等であり、手厚い雇用保障で守られていることを指しているわけではない。社員は誰でも、人によって能力の違いがあることを認めているし、その能力によって正当な評価をされるべきだと分かっている。

三、その本は全体として真実か、どんな意義があるのか
 改革が成功した企業における共通点は、いずれもアクションはまず経営陣が始め、しかも彼ら自らが持続させているということである。トップから始めることで、改革に対する真剣さが社員に伝わる。社員はもともと仕事も会社も好きな存在であり、自らが情熱的な社員になれる環境を望んでいる。トップが本気で改革を行うことを示せば、社員は必ずついてくるという著者の考えは、大企業であっても適応されるはずだ。

四、一番面白かったのはどこか、なぜ自分は面白かったのか
 社員の情熱とコミットメントを引き出すには管理を減らすことが重要だという。官僚主義の会社は、何もかもが規則で縛られており、何をするにも規則に従わなければならない。それは結局、会社が社員を信頼していないと感じ取らせるものであり、社員の情熱を奪ってしまう。社員は、会社から信頼されることを何よりも望んでるのだ。
 例えば、自社の例で考えると「飲酒運転の根絶」などがたびたび周知されるが、これらはあまりにも社会人として基本的なことであり、逆に、社員が会社から信頼されていないと感じ、会社への誇りや忠誠心を失わせる要因になっているのではないかと思える。
 確かに、飲酒運転をしないことは大変重要なことであるが、社会人として当たり前の事まで指導することで、社員の情熱を奪うという負の要因もあるのだと本書を通して感じるようになった。

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2010年11月06日

Posted by ブクログ

モチベーション向上のための理論がわかりやすくまとまっていた。”人間とは社会的な生物である。他社との前向きな相互作用は、単なる満足以上に、精神的な健康にとって欠かせない”という点に非常に納得した。

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2019年03月16日

Posted by ブクログ

社員が情熱を持って働くためには、会社はどうあるべきか。研究調査を通じ、本書が提示するのは、「公平感」「達成感」「連帯感」を社員が感じられるようにすること。そして、管理職と社員の関係は、パートナーであること。

少し前の米国の論文で、米国の労使関係を前提に書かれており、もともとが人間関係を重視する日本の会社には、あたりまえと感じる指摘も多い気がする。ただ、特にバブル崩壊以降、日本の会社の人間関係もドライになり、今となっては本書の指摘もあらためてかみしめる必要はあろうかと思う。

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2017年11月25日

Posted by ブクログ

会社員のモチベーションのお話。
こういうのを読むとサラリーマン経験も無駄じゃなかったなぁーと思う。
社員の立場もわかるからである。
社員と経営者の考えはいつもかけ違えているのである。
労働者と資本階級も同じである。

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2017年10月28日

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