【感想・ネタバレ】セガvs.任天堂 ゲームの未来を変えた覇権戦争(下)のレビュー

あらすじ

カリンスキーたちの大胆な戦略が功を奏し、セガはアメリカ市場で任天堂からシェアを奪い、業界トップに躍り出る。だが、両社が死闘を演じている間に、彼らはより深刻な対立に苦しんでいた。それは、セガ・オブ・アメリカと日本のセガ本社の間で起きつつあった内紛で、やがて想像を絶する「お家騒動」へとエスカレートしていく。革命的ゲーム機「ジェネシス(メガドライブ)」で市場を席巻する風雲児セガ、「SNES(スーパーファミコン)」と人気ソフトで巻き返しを図る巨大帝国・任天堂、そして、次世代機「プレイステーション」で参入の機をうかがう新星ソニー――三つ巴のゲーム界「三国志」を制し、覇者となるのは誰か? 個性あふれる登場人物、熾烈な駆け引き、息をもつかせぬ展開で、隆盛期のゲーム業界に集った人々の栄光と挫折を描く壮大なサーガ。

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家庭用ゲーム機と言えば任天堂かソニーという今だからこそおもしろい。
セガが任天堂を追いかけていた1990年代のゲーム業界について、アメリカ側そしてセガ側をメインに描いた翻訳ノンフィクション。とは言え、ここに書かれている数百本のインタビューからの情報で組み上げられた20年以上前の出来事には、著者も前置きとして「同じ業界で複数の競合会社に取材」したからこその矛盾や、状況設定などの詳細についての変更、再構成や想像もあると書いています。それでも、ものすごいスピード感で進んでいくこの時代のゲーム業界の熱量が伝わってくることに変わりはありません。これがノンフィクションだなんてシビれます。1990年代にスーパーファミコン以外のゲーム機を買うことを検討した経験のある方、必読です。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

メガドライブに熱中し、任天堂を呪いながらサターンにがっかりしながらもドリキャスまで付き合ったSEGAファンにとってはあの時を「そうだったのか!」と思い起こしながら一気に読み終えた。

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2017年08月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ノンフィクションよりもエンタメに振っていて、トム・カリンスキーのセガにおける物語といった感じ。
広報に力を入れて値段を安くしてと様々な事をするが、損得的な話は薄く。顧客やファンでない層からの評価も弱くて当時の雰囲気が掴みにくいというか。内部からだと見えない事が、内部をメインで書いているから、やっぱり見えない。
バンバン売れているのにセガ・オブ・ジャパンに何度も足を引っ張られて、それが嫌なら独立するなり本部と子会社の立場逆転するよう動けば良かったのにな。サードパーティに誘いをかけるも本命やハードが本部だよりだったり、それが出来る体制までにはなれてなかったのか。
PRが上手くて時勢を作れはした。が、一過性にしか成れなかった。ある種のブームだったんだな。

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2025年03月21日

Posted by ブクログ

日本のゲーム会社が米国でこんな戦いを繰り広げていたとは、あの時の私は知らなかった。
あの時は純粋に、全てのゲーム機が欲しかったとなつかしみました。
そんで、感情による衝突で合理的な判断が出来ない経済人が本当に多くいることよ。おっさんになった今の私は知ってます。

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2021年02月06日

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