【感想・ネタバレ】デジタルイラストの「構図・ポーズ」事典 キャラクターを引き立てる絵作りの秘訣40のレビュー

あらすじ

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キャラを引き立てるために知っておきたい構図とポーズのパターンと基礎知識を事典形式で解説。キャラのための構図・ポーズを分類し、効果や抑えておく点、NG例、利用例などを具体的に紹介する。多くのイラストの中でも目立つようにキャラを魅せる絵を描くためにはどうしたらよいか、大切なことがわかる。

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つっこみどころが多すぎる

発売直後、「著者の絵がよく言えば個性的、悪く言えばクセが強すぎてお手本にならない」とネットで話題になった本。
絵については散々語られたのでここでは語らない。
作者はこの絵で仕事をしていて、この本にもその絵が載っているので、作品のクオリティはプロとしての最低ラインをクリアしているということなのだろう。

ここでは実際の内容について書く。
とにかく、つっこみどころが多すぎる!
誤植あり、説明になっていない文章あり、説明と作例の不一致あり、全編、首をひねりながら読んだ。
確かに、人のものの見方には法則があり、それを踏まえて構図やポーズを作ればある種の印象や感情を生むや効果があるとされる。
だが、必ずしも「○○すれば△△になる」と言い切れるようなものではない。
それをこの本は、「こういう法則があるからこの構図を使えば」「見る人の印象は〜〜になる」と言いきってしまっているところが多い。
それだけならまだしも、「この構図は見る人に〜〜という印象を与えるから、それ以外の時には使うことは避けるべき」とまで言う。
有名な絵画、映画、グラフィックデザイン等々で、作者の言うような使い方をしていない「例外」、いくらだってありますよ。
奇しくも、作者が作例について「この絵は〇〇という構図を使っているので、こんな効果が出ました」と解説していることが、必ずしも実現できていないことで、「○○すれば△△になる」と言い切れるものではないことを自ら証明している。
作者は専門学校の講師らしいけど、これ生徒に教えてるのかなぁ。

ある章で「良くない例」としていることを、他の章の「作例」でやっているという自己矛盾も起こしてしまっている。
他にも、アオリとフカンを間違えていたり、「上(頭頂部)から頭4個分下に股がある」といった不正確な文章が多数。
6頭身でも7頭身でも上から頭4個分下が股なのか?ちゃんと場合分けしてくれ。
文章のつっこみどころの多さは多くは作者の責任だけど、こういう実績のない作者が書く場合、編集もちゃんとチェックしてコントロールするものじゃないだろうか。
体裁こそ本になってるけど、読めば読むほど困惑が増す本。できるだけ早い改訂を望む。
このシリーズ好きなんで、次は持ち直すことを願うばかり。

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2017年05月21日

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