あらすじ
終わらない仕事、複雑な人間関係、溢れかえる情報、解決しない課題……一億総疲労社会では誰もが大きなストレスを抱えたまま生きている。私たちは疲れ切ったまま日々を過ごすしかないのだろうか。しかし、日本には100年に一人の逸材・棚橋弘至がいる! 「生まれてから疲れたことがない男」の強靭なメンタルの謎を解明し、逸材流のメンタル強化術を読者に提供するために編まれたのが本書。 仕事や人生に失敗はつきものだし、ときには自分は何も悪くないのに逆風にさらされることもあるでしょう。人間ですから、そのときに気持ちが萎えてしまうのは仕方がないことです。ただ、ずっと下を向いたままでは何も変わりません。どこかで気持ちを奮い立たせて、ふたたび前に向かって進んでいく必要があります。僕の等身大の話をすることで、メンタルの弱さを克服したい方の悩みが少しでも軽くなればいいなと思っています。――「まえがき」より抜粋
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Posted by ブクログ
どん底の新日本プロレスを支え、愛し、経営をV字回復に持っていった現場の立役者、棚橋弘至。プロレスファンが強い憧れを持ち続け、努力を重ねて業界第一団体である新日本プロレスのプロレスラーになったのだ。そう、彼は普通の人である。古いプロレスラーのように、輝かしいアスリート経歴があったわけでもなく、どん底から這い上がったわけでもない。
本書は雑誌の連載コーナーをまとめた本であり、読者からの質問に著者が答える、という構成を取っている。”メンタルタフネス”というタイトルながら、毎日の生き方から子育て、はたまた筋トレの方法論まで内容は多岐にわたっている。そこに書かれていることは至って普通の人生訓であり、目新しいことは特にない。だが、平易な表現を使っているため、読みやすく理解もしやすい。何より読者の問いかけに対して、まずプロレス界や著者自身の周りの出来事を書き、そして一般社会に当てはめて書く。そしてその内容は核心をついており、読者をハッとさせる。
連日の練習や試合、メディア露出にも関わらず、広い世界への見識を深めて文章としてアウトプットできるほどまで昇華させるその視野の広さには恐れ入る。しかし、著者からすると、それすらも特別なことではないようだ。自分の遣りたいことに素直になり、毎日を丁寧に過ごし、努力をすればなし得る。そしてそれは、誰をもなし得ることである。”100年に1度の逸材”は、それを教えてくれる。