あらすじ
「こういうのが初恋なんだなって、思いましたっ」 いつも背中を追いかけていた、あの人への『憧れ』。夢の中で一緒に過ごした、海辺でのあの子との『友情』。傷つけてしまったあの人への、伝えられない内緒の『想い』。私の好きな人は、私以外の人も好きなのだろうか。たくさんの人と物の中で、その女の子を好きになっただけ。もどかしい想いを描く、少女たちの可憐な物語。
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Posted by ブクログ
発売前から気になっていた短編小説。好きになる人を自分で選べないからこそもどかしいなと感じた。誰もが想い合う中で、人物相関図の矢印の方向が定まっていく感じは「好きになったのが“あなた”だっただけ。」という言葉に尽きる純愛そのものだった。一番「君を見つめて」が好き。
Posted by ブクログ
「安達としまむら」の著者が書くほんのりと百合が香る短編集。という風の噂を聞いて読み始めました。
「少女妄想中」というタイトルの通り、少女たちは幻覚や夢、幻想といったような妄想を抱いているのですが、妄想というのはとても曖昧で掴みにくい。。
これは現実社会の話なのか、それともファンタジーなのか、読み進めても進めても話の道筋を掴むことができず、途中まで…いや、ほとんど最後の方まで自分は一体何を読んでいるのだろう・・・と、わからずにいました。。
…ですが!
最後の「今にも空と繋がる海で」を読んで、全てが繋がります。まさにタイトルの通り、繋がるんです。
各話の中で必ず登場するキーワード「走る少女」「海」「夏」そして、「青」。この点と点が線となったとき私はやっと「少女妄想中」を読み始めることができました。
もう一度最初から最後まで、
一字一句逃さまいと舐めるようにして読み返して、やっと、この物語の主人公に気づくことができました。そして一言「…やばいエモい」と、これに尽きます。
びっくりするほど面白かったです
Posted by ブクログ
緩く繋がる、淡い恋(百合)の物語、という感じ。端々にくすりとくる場面がありすらすら読める。短編ごとにわずかに関連を匂わせていて、読みながら想像が膨らむのもよい。