【感想・ネタバレ】広告業界という無法地帯へ ダイジョーブか、みんな?のレビュー

あらすじ

「電通」の理不尽エピソード満載!
「電通新入社員自殺事件」でブログが話題に。
元コピーライターによる激白エッセイ!

恐ろしいのは、どこにでもいる普通の人たちだ――
広告業界の第一線で働いてきた著者が見た、聞いた、大の大人たちが繰り広げる仕事上のしょーもない理不尽の数々を、ユーモアと屁理屈で昇華する必笑コラム集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

電通に在籍経験を有する著者により、広告業界の働き方等の実態が解説されている一冊。業種は違えど同じクライアント業に身を置く立場として、頷ける箇所が多々あった(詳細は以下引用)。内容とは関連しないが、本書を通じて、コラムニスト独特の文章の書き方を学んだ気がする。より具体的には、極論に振る、一つロジックを飛ばして意見を述べるなど。「誰もそこまでは言っていない」のに、半ば暴走して持論を展開するあたりが、読み物としての面白さに繋がっているのではと感じた。

印象に残った箇所は以下
「長時間残業が減らない理由をもう一つ挙げるなら、アイデアという無形のものを扱っているため、規格においては「これで完成」ということがない。コピーを考えるにしても、あと一時間考えたらもっといいモノが書けるのではないか、これでいいのだろうか?という疑念は常に脳裏を離れることがない」(p.18)
「ところが、本当は、単なるイメージ図を描き込めば描き込むほど、「この女性のパーマが気に喰わん」とか、重要でないところが気になるのが人間で、ラフなスケッチ程度の方がよかったのだ」(p.74)
「多くのメイカーや企業の実態は、社内的な政治に配慮した無難な戦略をできるだけ地味に立案します。具体的には、あくまでも社内用に、昨年比一〇一%的なできそうな成果を目標にします。そうやって、可もなく不可もなくな作戦を立てる傾向があります」(p.96)
「「自分を信じる」ことよりも「自分を疑うこと」の方が難しいことなのではないだろうか」(p.126)
「僕が電通を辞めた理由は、この仕事の構造が、「患者の指示に従って治療を行う医師」のようなものだからだ」(p.163)

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2024年08月18日

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