あらすじ
これは“読むドラッグ”である。
マニアの間では10万円以上の値段で取り引きされていた奇書「人間時計」が、ついに復刊。
もう一つの怪作『猫の喪服』も同時収録で、消えた天才マンガ家・徳南晴一郎の世界が今よみがえる。
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Posted by ブクログ
いやあ、すごい漫画である。まず絵がすごい。
しょっぱな幼女と主人公が載ってるカラーページがあるが、幼女が何かでかいカツオブシみたいなの持ってるし、それを眺める主人公は首が180度回っている。
この時点で作者の意図していないホラー味を感じる。「怪談」の名は伊達ではない。
中身もすごい。何が何だか分からんゴチャゴチャした絵柄と何が何だか分からんゴチャゴチャしたストーリー。
5回ぐらい読んだがあんまり理解出来なかった。
いや、理解する必要もないかも知れない。何故ならもうこの世界観だけでどっぷり満足してしまったのだから。
極めて人を選ぶが、好きな人にはたまらない魅力がある作品である。でもオススメはしない。
Posted by ブクログ
久々に漫画を登録してみる。あらすじは本当に怪談、紛うことなき怪談。そしてその描き方(小説でいうと文体に対応する部分)は純度の高い狂気、なので怪談としてのストーリーよりもその描き方に恐怖を覚える。(たとえば絵がとてもきれいな楳図かずおとかが書いたら別の意味でド級に怖くなると思う)
天才肌とかではなく(狂気を取り扱う場合よくごっちゃにされがちですが、そういう一種格好の良いファッション狂気とは一線を画すものがある)、あー淡々と狂っていったんだなと。幼いころの病気により小人症を発症し、壮絶ないじめにあっていたらしい。名前も時勢柄からかわれる対象になったのだとか。
このおどろおどろしいのに崩れないというかきっちりと崩れた几帳面な表現の仕方は見た目に対する執着(自分自身も自分を見る他者も)なのかな。人間中身が大事なのは言わずもがなですが、容器に縛られない人間はきっとただの一人もいないと思う。