あらすじ
終戦間際の1945年、昭和20年の春――。
薩摩半島南部にある知覧や大隅半島の鹿屋、串良の飛行場から、数千人の二十歳前後の若者たちが、爆弾を抱えた飛行機とともに沖縄を目指して飛び立った。
自らのいのちと引き換えに、敵機に特攻するために……。
しかしながら、6人の特攻隊員が、鹿児島と沖縄のあいだに浮かんだ黒島という小さな島に辿り着いている。
黒島の人たちは、けんめいに介抱した。
それによって、いのちを救われた兵士たちもいた。
そんな元特攻隊員と、黒島の人たちとの交流は、70年が過ぎた現在でも続いている。
老いとともに途絶えていくきずな。風化される記憶。
それでも、あの戦争を語り継ごうとする人たちがいる!
「あの戦争から遠く離れて」の大宅賞作家が、自らのライフワークに取り組んだノンフィクション作品。
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Posted by ブクログ
新聞の書評を読んで。
城戸さんの作品は2作目になる。
親しみやすい文章と感性なので。とても読みやすいと思う。
どういう経緯で書くことになったのかは、読み進めていくうちにわかっていくが、居心地の悪さを感じながらの取材というのが読み手にも伝わってくる。
途中から完全に映画監督の小林広司さんとちえみさんの話になる。
(三分の一くらいはそうかも?)
黒島についてドキュメンタリー番組を制作し、その後病気と闘いながら本にして残したい、と執筆された小林さん。
看取った後、その遺志を受け継ぐように黒島に行くようになった奥様。
黒島の歴史というよりは、何となく、お二人について書いた本のような印象に。
恥ずかしながら、黒島について全く知らなかった。
さらに小林広司さん、奥様のちえみさんについても。
ご苦労の末自費?出版された「黒島を忘れない」や、有吉佐和子さんの本も読みたくなった。
黒島の歴史について知る良いきっかけになった。