あらすじ
「いけ。何度でもいくんだ……俺が受け止めてやるから」深く、貪欲なキス。執拗な甘い愛撫。満足げな笑みをルクロフは浮かべて、千鶴を再び貫く。「約束通り、今夜は一晩中悲鳴をあげるまで抱き続けてやる」それは千鶴がずっと愛し続けて、ずっと求めていた瞬間……。
異界の地にいる愛しい恋人ルクロフの元に、再び帰ってきた千鶴。しかし隔てていた長い年月がふたりを臆病にさせていた。この地では14年もの時間が経っていたのだ。「何人の男に抱かれた? どれだけの数の男が、その唇に触れた?」再会に胸を熱くする千鶴に、ルクロフは鋭い双眸で冷たく言い放ち、貪るように口づけ、己を千鶴に刻んでいく。お互いのぬくもりを求め合う一方、愛し方を忘れたふたりの想いはすれ違って……。
「俺の言葉が欲しいか? 俺の本心を聞きたいのか? だったらひとつだけ約束してくれ。そうすれば、俺のすべてはお前のものだ」
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召喚
過去と現在。
外見だけならばほぼ変わりのないヒロイン。恋人が消え、友を亡くし、心を失ったヒーロー。
14年はあまりにも残酷だ。
巧妙すぎる物語は時として嫌らしくも感じるが、作者様はその辺りの匙加減が抜群に巧いと思う。
ラストもたっぷり読み応えがあり、心から堪能できた。
読ませる文章力の凄さ
ありがちな異世界トリップものでありながら
描かれにくいその後の話であり、時間の流れに差があることによりヒロインを愛する男性が辛い時間を過ごしたとこなど感情を細やかに描かれていて、すんなりと入ってきました。
いちゃいちゃシーンはややマイルドです。
ヒロインが少し痛い思いをするところが嫌ですが、長年渇望した男性の気持ちもわからなくはないと思わせる素晴らしい文章です。
他の方のレビューをみて、固定のファンがいらっしゃるのも当然だと思いました。私もファンになりました。