あらすじ
「探しに行こうよ、タイムカプセル!」考古学者である父の「遺跡ねつ造」事件で、同じ考古学者となる夢を砕かれた青年・英一。失意の日々を過ごす彼の前に現れたのは、10年前に亡くなった幼馴染の少女・明日香だった。驚く英一をよそに、明日香は10年前と同じ屈託のない笑顔で話しかけてくる。彼女は幽霊なのか。それともよく似た他人なのか。困惑しつつも英一は、明日香と共に「タイムカプセル探し」の旅に出るが――。
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幼きに日にいつも一緒に遊んだ女の子。
病弱なのに、そんな素振りは見せずに、いつも笑顔を向けてくれた女の子。
7歳の夏、一緒にタイムカプセるった女の子。
10歳の夏、入院の見舞い帰り「また明日」の約束を果たせなかった女の子。
父が謀略に嵌められ、1年前に不審死を遂げ、夢を見失った20歳の青年。
夏の日の記憶、雨の近付く匂い、タイムカプセルを求める死んだ筈の幼馴染。
明日が来る事は当たり前では無い。
夢も活路も見失った青年に、実体を伴って現れた幼馴染の女の子は…。
そして、更に10年後、30歳になった青年に届くメッセージは…。
Posted by ブクログ
温かくも読んでて切なくなってくる話だった。
確かに死んだ幼馴染が突然現れたら誰でも驚くと思う。
明日香があの花のめんまみたいだと思った。
それにしても優しい先生や幼馴染に恵まれて羨ましい。だからこそ英一は復活できたのかな、と。
話自体は幽霊ものの王道まんまだが、王道的な意味で面白かった。
ただ、作品の設定自体に個性はないように思えた。
父親の話も思ったよりもあっさりとしているし、多少物足りないような気はする。
やっぱり私はいつものロボット感動モノの松山さんの作品の方が好き。
Posted by ブクログ
ある種の王道タイムカプセルストーリー。
かつて『ゆめ』を見た全ての人へ。
人間の暖かい温もりに触れられる優しい物語だった。
悩んで迷って苦しんで落ち込んで立ち止まってしまったら、原点へ帰ろう。
また上を向いて歩けるように。
Posted by ブクログ
暖かい気持ちになれる、感動ものファンタジー小説です。主人公が負った過去の傷と、本当にやりたいことへの想いとの葛藤が、自分と重なりました。誰しもが似たような葛藤に悩まされたことがあると思います。少しベタな内容でしたが、共感できてほっこりできる作品です。