あらすじ
グリム童話とならんで世界中の子どもたちに親しまれている、真情あふれる童話集。「おやゆび姫」「皇帝の新しい着物」「小クラウスと大クラウス」「みにくいアヒルの子」など11編。
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Posted by ブクログ
初心に帰って世界的な童話を読み直し。
■親指姫
まず親指姫の育ての親が不憫。(ヒキガエルの元から逃げ出したあと帰る気ゼロなのなんで~!)
次にスイレンの葉に勝手に括られた白いチョウ。葉をはやく水面を走らせるために、リボンで結んじゃうって、、
かわいい親指姫に利用されて、結果的に命を落とすの悲惨すぎる。
あと全体を通してルッキズムがすごくてもはや面白い。親指姫はかわいいから攫われて結婚させられそうになるし、でも誰かに助けられるし、養われるし、最終的に理想的な王子様と結婚する。
親指姫の内面の美しさについては、あまり言及がない。(ツバメを介抱した献身性くらいか)
ヒキガエルやモグラの求婚を拒んだのも、"みにくい"という見た目上の理由が第一なのが、児童書とは思えない程リアルである。。
■皇帝の新しい着物
かの有名な「裸の王様」の原作。人の心理を鋭くついた名作。スケールは異なるが、大ヒット映画「君の名は。」を1回観て理解できないと頭弱いと思われるので、ちょっと言いづらい現象と少し似ているか。((私は理解できなかった))
■小クラウスと大クラウス
とても児童に読ませられないほど、えげつないことをする主人公たち。
とんでもない策士の小クラウスの罠に、まんまと嵌っていく大クラウス。
こういう話は勧善懲悪で小クラウスを応援する目線になりがちだが、なれない。とことん不幸に追い込んでいく小クラウスの執念恐ろしすぎる。
■モミの木
人を羨むばかりで、目の前の幸せを大切にできなかったモミの木の切ないお話。
人には人の闇があり、つい光り輝いてる姿ばかり目がいきがちであることを、考えさせられた。
こちらも大人向け。
■みにくいアヒルの子
みにくい、他と見た目が異なる、という理由で、集団、そして育ての親からも蔑ろにされてしまう哀れなひよこ。しかし苦しい日々を乗り越えて、最終的に美しい白鳥に成長できたというハッピーエンド。
見た目だけであんなに蔑まれてたけど、本当の仲間にも巡り会えたし、最後はみんなに見た目を美しいと言ってもらえたからよかったね、というのは果たして本当にめでたしなのか??
■おとなりさん
これまた最初は描写が読みづらいが、なかなか考えさせられる大人向けのお話。美しい薔薇を認めない、心が貧しい雀はとても哀れに見えた(最後まで改心せず)。
美しい人は心が豊かで、他者を認め、人に優しくできる。そして自分は恵まれていると考え、人生が好転していくという、人生の核心をついている。
他者を認める心の余裕は、いつまでも持っていたいものだ。
Posted by ブクログ
ハンス・クリスチャン・アンデルセン(デンマーク語読みではハンス・クレァシテャン・アナスン)だそうです。
裸の王様,みにくいアヒルの子,おやゆびひめ,雪の女王など,よく知られた話も多いですが,特に好きなのは次の2つ。アンデルセンの童話の中ではちょっとマイナーかもしれない。知る人ぞ知るってやつか。知らない人は知らない。
「赤いくつ」
すっぱりと切られたカレンの両足が赤いくつをはいたまま,どこまでもどこまでも踊り続けていく姿のすさまじさ。カレンの小さな部屋が変化し,大天使とともに天に召されていく場面の美しさ。イメージが圧倒的。
「エンドウ豆の上でねたおひめさま」
そんなこともあるのかあ,,子ども心に,ただただ「ほんとうのおひめさま」に感心した。この話の微妙な気持ちのよさはなんだろう。こんな話をすらっとかけるアンデルセン,やっぱり天才。
アンデルセンは,パンもおいしい。デニッシュ系が特に。
ぜひコペンハーゲンに行って,人魚姫の像を写真にとりたい。
人魚姫といえば,結末がいろいろあるというのをはじめて知りました。王子を殺すことができずに海に身を投げたあと天国に行きましたバージョンと,空気のアワになって消えていきましたバージョンと,空気の精になって天国に召されましたバージョン。わたしが小学校の時に読んだのは,アワになって消えていくものでした。それだけに悲劇性が強かったように思います。
Posted by ブクログ
今回再読してみてまず最初に感じたのは、アンデルセンの童話こそ「大人のための童話」なのかもしれない・・・・ということです。 これは翻訳の力が大きいのかもしれないのですが、KiKi にはこれらの童話が童話・・・・というよりは詩に近いものに感じられました。 ・・・・と同時に色彩描写の美しさには目を見張るものがあります。 KiKi が「アンデルセンは絵本的」と感じていたのは、ここにも理由があるのかもしれません。 アンデルセンの物語のイメージはアニメ的な絵ではありません。 どちらかというと色鉛筆か水彩画のイメージだと思うのです。 ありきたりの言葉を使えば「繊細」とでも言いましょうか・・・・・。 グリム童話はどちらかと言うと原色的だったと思うんですよね。
美しさ・・・・という点ではまさにそんな感じなのですが、物語そのものに関して言えば、素朴さ(というよりは野性的?)は薄く、とても思索的です。 どこかに「諦念」が必ず見え隠れしていて、だからと言って拗ねたり開き直ったりするのではなく、美しい形でそれを消化し物語の行間に感傷、もしくは悲哀のヴェールを被せている・・・・そんな感じがします。
(全文はブログに)
Posted by ブクログ
アンデルセン童話集はこどものときに読みあさりました!!人魚姫、親指姫、みにくいあひるの子、今思うと私の志向パターンの原点は結構昔話にあったりするのかもしれません。。。。
Posted by ブクログ
この物語を通して、アンデルセンの人物像や現実ではありえない不思議な体験が読み取れるのでぜひ読んで、理解して欲しい。お勧めの話は、少クラウスと大クラウス。