【感想・ネタバレ】SMAPと平成のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

 SMAPの結成自体は昭和末期の1988年であるものの,そのCDデビューは平成に入って3年後の1991年を待たねばならなかった。また,「SMAP解散」をメディアが報じたのは,明仁天皇が譲位の意向を示すお言葉を発された6日後の2016(平成28)年8月14日だった。そういう意味で,SMAPの歴史を平成の時代になぞらえるのは,よくある切り口だが,本書は,「平成という時代の歴史を,SMAPを全面に立てて概説する試み」(7頁)として執筆された点で,非常に興味深いものであった。
 ただ,同年内のSMAP解散までに刊行を予定していたからだろうか,著者・中川右介さんによるこれまでの作品と比較すると,本章の内容が,平成とSMAP結成それぞれ前夜の1987年から,民主党結党およびSMAPの「SHAKE」が発売された1996年で終わってしまったのが,中途半端というか,サクセスストーリーのみで終わってしまった感を否めない。終章に,その後,1998年,2003年,2011年,2015年,2016年という年代をダイジェストに選択して,政治とSMAPのの推移を採り上げて締め括っているものの,本来はまだこの部分を書き足りなかったのではないかと,勘ぐられる。この点は,実に勿体ないエピローグであり,「転結」のない「起承」となってしまった。
 かく言う評者も,中居正広さん,木村拓哉さんとは同学年。この平成30年間で何にピリオドを打ち,何を継続させ,何を新たに開始していこうか,模索中でもある。

0
2019年01月23日

「社会・政治」ランキング