【感想・ネタバレ】伊藤くんA to Eのレビュー

あらすじ

美形でボンボンで博識だが、自意識過剰で幼稚で無神経。人生の決定的な局面から逃げ続ける喰えない男、伊藤誠二郎。彼の周りには恋の話題が尽きない。こんな男のどこがいいのか。尽くす美女は粗末にされ、フリーターはストーカーされ、落ち目の脚本家は逆襲を受け……。傷ついてもなんとか立ち上がる女性たちの姿が共感を呼んだ、連作短編集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

伊藤くん……!!
クズなのに、モテる伊藤くんの様をAでみて
その魅力を知りたくてBに進むとまた違う伊藤くんの姿があって、どんどん伊藤くんが知りたくなってページを読み進めてしまった。結局は伊藤くんはクズだし、周りの女も割と捻くれている。柚木麻子さんの小説3作目だけど、女同士の友情が儚くて悲しい

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2024年07月16日

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ネタバレ

5人の女性から見た伊藤くんの話。
伊藤くんがひたすらクズに見えていたが、最後の方にヒーローではなく白馬の王子様を待ち続けるヒロインだという文言で、なるほどなと腑に落ちた。伊藤くんがクズには変わりないんだけど、メンタルだけで言えば心当たりがある人は男女問わず少なからず居そう。ただクズを笑うだけじゃない、最後は読者にもちょっぴり苦さを残すところがおもしろい作品だった。
あとクズケンにはどうにか幸せになって欲しい。

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2024年02月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初は、なぜこんな男に、魅力的な女の子達が惹かれるのだろう、そして、何故こんなにもこの男は嫌な奴なんだろうと、不思議を通り越して嫌悪感を感じていた。
しかし、最後の"E"を読んで、すべての謎が解けた。

伊藤は、傷つくことから逃げるため、何も生み出さず、どこにも踏み出さない生き方を選んでいた。

そして、伊藤という男を描くという目的以外に、
全ての短編に共通するテーマがあることに気づく。
この連作は、プライド、傷つくこと、そしてそれらから目を背けることを一貫して描いていた。

それを表現したセリフの中でも、特に印象に残ったのは、修子の親友、マッキーの一言だ。
「世の中なんて嘘ばっかだよ。でも、プロってそういうものなんだよ。(中略)それが大人ってことなんじゃないの」

そして、伊藤は私だ、ということにも気づかざるを得ない。
しかも、それを自覚して一歩を踏み出そうとする莉桜ですらない。それが私だった。
私は、傷つかないための生き方を変えるつもりはなくて、
いつしか救われることを待っている。耳が痛かった。

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2023年07月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アッコさんシリーズとはまた違うテイストの柚木麻子さんの本でした。
もうこれはホラーですね。
AからDまでの女の子から見た伊藤くんもそれなりにグズで最低だったけど、Eはもうホラー。
関わらない方がいい。
親友の男を寝取る意味がよくわからなかった…

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2024年05月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

彼氏の苗字が伊藤なので読み始めたが、伊藤くんが予想外に残念で面白かった。
「恋愛だけ」じゃない感じがよかった。
一番最初の子(智美さん)が好きだな。

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2024年05月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

伊藤誠二郎
代々木の大手予備校の国語のアルバイト講師。有名なシナリオライターや作家の主催する講演会や講座やワークショップにバイト代のすべてをつぎ込む。シナリオの技術や物語の作り方にはほとんど興味はなく、お金を払ってそこそこの有名人に会い、視線を合わせることだけが目的。二十七歳。代々木の本校をクビになりそうだったのを、戸越銀座の塾長が引き受けた。千葉の大地主の一族。


伊藤くんA
島原智美
伊藤とは合コンで出会い、五年が経つ。二十七歳。デパート勤務。伊藤に粗末に扱われ続ける

三芳
智美の後輩。大阪出身。

うだちん
智美の親友。洋菓子メーカーの開発室に勤務している。

矢崎莉桜
そこそこ名前の知られた若手脚本家。伊藤の先輩。

宮田真樹
マッキー。最近独立したスタイリスト。

シュウ
伊藤が働いている塾の受付。マッキーのルームメイト。伊藤が片思いしているが、シュウは移動を嫌っている。


伊藤くんB
野瀬修子
学習塾の臨時受付スタッフ。新卒で三年働いた品川の美術館がつぶれた。
伊藤からストーカーまがいの好意を持たれてブチ切れる、バイトに身の入らないフリーター。

マッキー
修子のルームメイトで美大時代からの親友。有名スタイリストのアシスタントを卒業し、独り立ちを果たした。

瑞穂
修子が働く塾の四歳年下のギャルで先輩。

ノリコ
マッキーが目標としている四十代のベテランスタイリスト。矢崎莉桜が脚本を書いてるドラマの衣装を担当している。

大森玲奈
中学二年生。塾の生徒。


伊藤くんC
相田聡子
中堅洋菓子メーカーに就職し、デパ地下のケーキ店の副店長として働いている。実は甘党ではない。伊藤の童貞を奪う。

神保実希
聡子の親友。聡子が働く洋菓子メーカーのチェリータルトが大好物。大学のサークルOBで六歳年上の伊藤に三年も片思いしている。

一橋
ケーキ店のアルバイト。大学二年生。

鈴原
ケーキ店の店長。

山村ミヨ
聡子の高校の同級生。合コンの幹事を快く引き受ける種類の人間。

江頭加奈子
一橋の彼女。


伊藤くんD
神保実希
処女を理由に伊藤に振られる。父が教授を務める女子大で教務課の職員として働き始めた。友人のクズケンを初体験の相手に選ぶ。

クズケン
久住健太郎。学生時代に売れっ子放送作家になっていた。

相田聡子
実希の親友。

矢崎莉桜
サークルのOGでシナリオライター。


伊藤くんE
矢崎莉桜
伊藤が熱心に勉強会に通う、すでに売れなくなった33歳の脚本家。

川北直子
莉桜がかつて所属していた「ドラマ研究会」通称「ドラ研」のメンバー。大学一年生。

杉原瑛太
「ドラ研」のメンバー。大学二年生。

安藤良二
「ドラ研」のメンバー。大学二年生。

久田史朗
「ドラ研」のメンバー。大学三年生。

戸川重之
「ドラ研」のメンバー。大学四年生。

久住健太郎
若手脚本家。

田村伸也
四十代後半の売れっ子プロデューサー。

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2024年03月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画にもなったと聞き、ミーハー心が疼いて読破。

伊藤くんダメ男だなー!と思って読んでいたら、伊藤くんEで印象がガラッと変わったのが面白かった。
軟弱軽薄と思っていたら、人として深さが見えたような。

人生で大切なことは、誰からも傷つけられないこと。
傷つくことを恐れず立ち向かえるのは、ほんの一部の強者だけ。だから、みんなが夢を諦める。

恥をかかないために、捨てる。
安全な場所から誰かを笑い続け、自分を主役にした人生を回す。だから、関わった人が勝手に傷付き、倒されていく。
そんな自分をいつか誰かが救い上げてくれる、僅かな可能性を信じるお姫さま。

でも、そんな人でも、自分を見てくれるからと再起する人もいる。


伊藤くんは自分を映す鏡、という解説は難しかったので置いときますー

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2022年12月30日

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