あらすじ
漱石の満洲、ロンドン、京都を巡る紀行文「満韓ところどころ」「倫敦消息」「自転車日記」「京に着ける夕」をまとめる。漱石の人間、人事、自然を見詰める眼は的確であり、ユーモア溢れる溌剌とした文章で綴られている。近代日本の秀逸な紀行文となっている。小品5篇を併せて収載する。短文ながら文豪の素顔をよく伝えている佳品である。
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Posted by ブクログ
漱石先生のユーモアが詰め込まれた大陸紀行文。当時の日本、満州、イギリスがどんな状況だったのだろうかと思いを馳せる。
交友関係の豪華さにびっくりする。満鉄総統の中村是公、警視総長の佐藤友熊、東北大学教授の橋本左五郎。だけども学生時代からの気の置けない仲であるのがよくわかる。
ロンドンが舞台なのに、落語なような言葉使いが面白い「自転車日記」。
Posted by ブクログ
漱石さんは面白い!自分を飾らないというか自虐的なところがまた笑いを誘う。言葉遊びというか親父ギャグも使っているが、内容が高尚なので、注釈が必要なものが多い。
Posted by ブクログ
なるほど、漱石は可愛い人である
これが感想です
「火曜がダメなら水曜にすればいい」と鉄道の乗り継ぎに
適当なことを言う漱石に橋本さんがお怒り
その一文がこれ
君のように呑気な事を云ったって駄目だよと橋本から叱られた。なるほど駄目である。しかも余の駄目は汽車にとどまらない。
「なるほど駄目である」
なんて素直で可愛い人なんだ
あの上を歩いて見たいと番頭に頼む 漱石
チョコレートの菓子が食いたくなった 漱石
可愛い漱石が詰まっている本