【感想・ネタバレ】漱石詩注のレビュー

あらすじ

漢詩が、殊に簡潔で締まった句が好きだ、といっていた漱石は、みずからも折々に漢詩を書き、『明暗』執筆のなかばからの100日間は、それを日課とした。漢詩は小説と同じく漱石の思想の表現である、と評した中国文学者が、学生時代から死の直前までに作られたうち160首に丹念な注釈を加え、その思想遍歴の跡を描き出す。

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Posted by ブクログ

我々が、明治以来の時間に失ったものは、あまりに大きいと感ずる。漱石と吉川幸次郎という二人の名人の格闘がこの本のテーマである。我々外野の者には全く手が出ない、漢籍に関する深い素養と幅広い教養が亡ければ、この二人の手練を観賞することさえ難しい。しかし、今更嘆いても仕方ない。読者は読者として及ばずながらもこの二人の格闘を外野から眺めてせめてものなぐさめにしよう。
二度取り戻せない世界が個々にある

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2012年12月23日

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