あらすじ
夏休みも終わったある日、新たな鞄の住人が現われた。彼女は唐突に「衡の妻」を宣言し、猛烈なアタックを開始!! そして悲しいほど優柔不断な衡は、為すすべもなくそれに飲まれはじめる。もちろん心穏やかではいられない白山さんは、苦手な遠咲先輩の力すら借り、衡を奪われまいと徹底抗戦を宣言!? 一方、学園祭実行委員として活動していた伊織は、青嵐と出店の売り上げ競争をすることになるが……どうも青嵐の様子がおかしく……? 様々な想いが火花を散らす、不思議系学園ラブコメディ第4弾!
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Posted by ブクログ
このシリーズは今楽しみに追いかけているシリーズの内の一つ。
今回シリーズ第4巻は王道ラブコメ回。
すごく綺麗にまとまっていて、なんなら、この巻で最終回でもよかったんではないか、と言うぐらいのすばらしい出来だった。
いわゆる恋敵(ライバル)の登場で、二人がそれぞれの気持ちを確認しあうという、よくある展開。
でも、そういうの大好き!(笑)
押さえきれない、隠しきれない、心情を、いろんな葛藤を乗り越えて、覚悟の上で放たれる言葉。
やっぱり、いい!
最終的に二人はお互いの気持ちをちゃんと伝えあうわけで……
わー、告白だあ!(照)
ただ恋敵のムール・ミュールがものすごくいい娘なんで、そこはすごく切なかった。
彼女が別の誰かとの間で恋を成就して欲しいとも思う。
そもそもムールミュールの力は『死に至る恋煩い』で、彼女は恋する存在なわけだけど、でも実は彼女の本質は無償の愛だと思う。打算や駆け引きとは無縁なのだ。
それに対して、衡と白山さんの思いは恋だ。
たとえ自分や相手を傷つけることになっても、それでも、一緒にいたいと想う。
それは恋だろう。
そして、そんな恋の前に好きな人のためを思って諦め身を引くのが愛なのだ。
そういう意味で、これは二人の恋がムール・ミュールの愛を押しのけた結末だといえる。
さて、この巻で二人の関係は一つステージがあがって、恋人同士になったわけで、お話的にも、これからはたぶん違うステージに入るのだと思う。
黒い鞄や嚢界のしがらみ、衡に掛けられている呪い、を巡って二人が二人の絆で乗り越えていく展開を期待してしまう。
次巻が待ち遠しい。