あらすじ
現代の女子と同じように、恋に悩み、おしゃれを楽しみ、将来を真剣に考えていた平安時代の女子たち。その喜怒哀楽を一緒に味わいながら、住まいやファッション、恋愛と結婚、身分や進路など、古典常識を楽しく身につけましょう♪ メールテクや夢の探し方など、いまも役立つ情報が満載。美しい挿絵もいっぱいの、一番わかりやすい古典入門です。
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川村 裕子
博士(文学)。平安文化、日記文学。『蜻蛉日記1』『蜻蛉日記2』(角川ソフィア文庫)、『平安女子の楽しい!生活』(岩波ジュニア新書)『平安男子の元気な!生活』『平安のステキな!女性作家たち』(同)、『ビギナーズ拾遺和歌集』『王朝の恋の手紙たち』『はじめての王朝文化辞典』(角川ソフィア文庫)
「特にこの時代は現代と違って、旅立ちのお別れは、一生のお別れになるかもしれなかったんです。治安だってそれほど安心できる状態ではないし、また病気になっても治療の方法などは、現代ほど進んでいませんでした。 そんなお別れだからこそ、二人は、魂を交換するように小袿を交換したんです。お姉さんは二藍、そして、道綱母は赤朽葉色の薄手の小袿でした。」
—『平安女子の楽しい!生活 (岩波ジュニア新書)』川村 裕子著
「 よく大人たちが「本を読みなさい」と言うけれど、これは「お勉強して知識をふやしなさい」ということだけではなさそうです。本を読むことで、今の私ではない何人もの人間の人生を生きて、たくさんの恋にどきどきしたり、いろんな体験をして主人公といっしょに泣いたり笑ったりする 。 そう、本を読めば読むほど、たくさんの人生を経験できるということなんですよね。 他人の人生を味わえるなんて、楽しいことでしょう? 本を読む目的は、優等生になるためでもなく、テストの点数を上げるためでもなく、きっと、人生の楽しみをふやすことなんです。だから、人間は昔から本を読んできたんですよね。」
—『平安女子の楽しい!生活 (岩波ジュニア新書)』川村 裕子著
「なぜかというと、当時の出産は、今より安全ではなかったんです。というより、かなり危険なことでした。 この時代は、だいたい五人に一人のお母さんが出産で亡くなってしまったんです。本当に命がけの大事業。だからこそ子どもが生まれると、とてもおめでたいことだったのです。 こんな命がけの出産で生まれた子、そんな子どもが、かわいくないはずはありませんよね。お母さんたちは、子どもを必死に育てようとします。でも、ともすればかわいいあまりに、しかったりどなったり 。 自分の子どもだからこそ、きびしくなってしまうのですね。」
—『平安女子の楽しい!生活 (岩波ジュニア新書)』川村 裕子著
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たぶんコロナ前に見つけて買ってた本。途中まで読んでなんとなーくそのままにしてたのを、この機を逃しては…と最初から改めて読んでみた。
大河『光る君へ』のおかげもあるだろうな、紹介される平安の人々がにわかに生き生きとしてる姿が思い浮かんで、一気に読んでしまった。多少の時代(年齢)のズレはあるかもしれないけど、これまで見てきた俳優さんたちがイメージされた。
現代の言葉を多用して、若者に語りかけているから、もしかしてそういうのに馴染めない方々には不評かもしれないけど、私は好きだな。学生さんに教わったとのことだけど、流行りモノに敏感な先生のお人柄が偲ばれる。
蜻蛉日記や和泉式部日記、更級日記、もちろん源氏物語や古今和歌集から引用してあるけど、全部現代語訳で、原文はなし。まぁ、後で探し良いように注(参考文献)とかつけててもらっても良いかな…とは思ったけど、おかげで普段あまり関心のない人には抵抗が少ないのかも⁇そうなのよね、原文に当たることは大事ではあるけど、古典を学ぶ…というか知るということは、そこに生きた人たちの生き様や思いを受け取ることだから、第一段階としてはこだわらなくても良いんじゃないかな⁇
若者だけでなく、若者をとうに過ぎた年代の私にも胸に響いた先生の言葉があって、ちょっと贔屓したとこはあるけど、最高評価とさせてもらいました。
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建物の造りや服装など、高校の図説など引っ張り出してみてもいまいち分からなかったのですが、この本はすごく分かりやすかったです。また、更級日記や蜻蛉日記など、あまり関心の無かったものも紹介されていて、読んでみようかなと思いました。子供向けの本は侮れません。
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およそ1000年前の貴族女性の生活を、しっかり現代に引き寄せた表現で紹介する。
平安貴族女性の生活圏の狭さがよく分かる。
庭と季節とファッションと男性と宮中の噂話が、人生の全てになってしまうのもうなずける。
一方で、世の中の大多数は農業を行う庶民女性であるという視点も、少し有っても良かったのではないかと感じた。
本書は限られた特権階級の生活である。
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平安貴族の生活が無理なくイメージできる。ルー大柴並みにカタカナ言葉を使うが、嫌味がない。軽いノリで必要な事は全て伝える。プロの教師の仕事である。一気読みした。
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とんでもない良書です。
私は女の人が夫の3歩後ろを歩くとか政治の道具になるとかいうことにとっても嫌悪感を感じてしまうので、平安時代はどうかなぁイライラしないかな…と思いながら読み始めましたが、めちゃめちゃ楽しく読めました。
そして、ただ抑圧されて苦しんでいる生活でもなかったのかなと思いました。
女性は女性なりに宮仕えにでて働いてみたり、和歌の力で駆け引きをしたり、帝の母親になれる可能性があったり、色々なことを考えて積極的に生きていたんだなあ。
文章自体がとても分かりやすくて面白く、平安女子の世界に引き込まれました。挿絵も多くて良かった。
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当時の文のやり取りが
今でいえばメールやラインだとすると
短い言葉で 気持ちをやり取りしたり
ちょうどニュアンスに合うような
スタンプを選んだりするのと似てる
和歌を詠み 季節の花につけ送った平安時代
すごく身近に感じますよ
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女子っぽいフワフワしたイメージの新書。
でもこの一冊で古典の世界がぐんと身近に感じられる。
あえて今時な現代語訳なのもわかりやすい。
イメージしにくい日常生活がとても生き生きと描かれていて、初心者だけではなく、古文を知っているつもりの人にもおすすめ。決しておかたい世界ではないことがわかる本でした。
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ジュニア世代向け本。
今風の言葉で書かれてるのでスルスルと読みやすかったし、頭にも入っていった。
「更級日記」「蜻蛉日記」も機会を見て読んでみたくなった。
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今年は大河ドラマの影響されて平安モノが面白い。以前、男子編を読んだので今回は女子編を読んでみた。紫式部や清少納言はもちろん出てくるけど、1番多く登場するのは道綱母。そして、女子と言いつつ男子のことも結構書かれている。
現代とはかけ離れた生活をしてるけど、同じ人間が喜怒哀楽を感じながら生きていたんだなあと思いを馳せた。
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平安時代の連絡手段は、手紙✉️今の時代よりももっと教養が試される時代だったのだなあ。和歌をすらすら書けたら、どんなに素晴らしいだろう。「国語」の時間にもっと和歌を勉強したかった。
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平安時代の女性の生活を『蜻蛉日記』『更級日記』『源氏物語』などを中心に、現代の言葉遣いで生き生きと描き出している。
ちょうど大河ドラマで『光る君へ』を放送しているので興味深く読み進めることができた。
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ジュニア新書なので平易でかつ現代に置き換えた表現で書かれているので読み易い。
平安時代の建物のつくり、服装など今まで今ひとつピンとこなかった部分がスッキリ分かりました。
大人が手っ取り早く平安女子について知るために読むのにもお勧めです。
ちょいちょい引用されている『蜻蛉日記』、タイトルだけは知ってましたが道綱母の恋物語だったのですね。こちらも現代語訳の簡単な本があれば読んでみたいです。
文付枝に手紙をつけて恋文を送り合うって、ロマンチックです。
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とても面白かった!平安時代の女子wの生活、ファッション、恋、仕事•••今の言葉で分かりやすく(中高生向けだそうです)イラストも多数使って説明されている。これを読むと『蜻蛉日記』や『源氏物語』、『枕草子』へ興味が移ってくる。高校時代にこんな授業があったら、もっと古文の授業が楽しかったに違いない。平安の女子も、令和の女子も、嬉しい事や悲しい事に違いがないんだと身近に感じ、興味への入り口となるピッタリの本だと思う。(KU)
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平安時代という古文の授業でしか目にしなかった文学の世界を、とても楽しく分かりやすい言葉で描かれていて、古文を楽しく読むきっかけになりそう。古文に出てくる家具、衣装、地位などの一つ一つの言葉にこんな意図が隠されていたと知っていたら、きっともっと楽しく古文が読めるだろう。中高生に薦めたい一冊。
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古文常識を理解する入門書に良さそう。中学生向けか?若者の言葉遣いにしようとしていて若干チャラい感じがしないでもないけど、わかりやすいし、平安女子が今の女子と同じように、家族の幸せを祈ったり、キャリア進出を煙たがる男たちに憤慨したりしている姿に共感できた。よい妻の条件が、夫の良き相談相手であること、というのが意外だった。和歌がうまい人は頭も良いんだろう。
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平安時代の女子たちも人間国宝の文化人や何かではなく、自分と同じような普通の女子であったことに、今更ながら驚いた。
彼女たちも服装や恋愛に悩みながらも生きていたと思うと、親近感がわいてくる。
和歌の手紙をメールなどと言い換えていて、とても分かりやすかった。
ただ、「ださださ」など、今の目線で見ると「チョベリバ」のような、もう使われていないような少し古い言い回しが現代の学生が使う一般的な言葉として使われていたのが残念。
和歌も、現代では学校で学ぶ格式ばったものであっても、当時からすればLINEやTwitterのような感覚だと思うと、和歌の文章が新鮮に感じる。
だからといって古典の勉強に精が出るかと言われれば、そんなことはないのだが…。
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本当にわかりやすく、面白い。
自分が中高生の頃こういう本があったらどれだけ古典を好きになったか、と悔しい気がするくらい。
『和泉式部日記』などの日記ものは「ブログ」。経験したこと感じたことを「人に読まれる前提で」書いているから、とか。
著者が、若者に古典を身近に感じてもらうため、どれだけ心を砕いているかが伝わってくるし、そしてそれは古典を本当に愛しているからだということもわかる。
「本気」が伝わるのだ。
できれば学校の勉強として古典を学ばねばならない高校生になる前に読ませたい本。
大人にも楽しい本ではあるが。
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千年前の内容だから当たり前かもしれませんが10年前に出版された本ですが古さは感じませんでした。たぶん自分が中学生だったら読まない本だと思いますが、ちょうど今のタイミングだったので手に取りました。初めて知る内容も多く楽しく読めました。大人からの意見になるのでしょうが、和歌は原文もあった方が良かったです。それまで全く興味がありませんでしたが鎌倉殿から大河ドラマを見始め、光る君へも前作より面白いと思って見ています。ちなみに朝ドラはてっぱん以降、かなりの確率で全部ではありませんが時々見ていますが、虎ちゃんだけは全て視聴しました。もちろん今のおむすびは最初の3回くらいでとっくに止めてます。
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「光る君へ」を観ているので、紫式部、道長、伊周、藤原道綱母などが登場することもあって、非常に楽しめた。
古典からの引用も現代語訳してあって読みやすいし、現代にも共通するところなどをポイントに語られているので古典の世界にも親しみがわく。着るものや建物についても、今までちゃんと知らなかったことが書いてあって面白かった。下に着るものの方がサイズ(布の面積?)が大きいって、ゴワゴワしそうというか、不思議。
ひとつ気になったのだが、平安時代において、ある人が夢に出てくるのは、相手が自分のことを思っているから、という解釈だったのではなかっただろうか。逆のように書いてある気がしたが…?
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平安時代の女性たちの日常が分かりやすく説明されています。女性と男性の服装アレコレや、なぜ和歌ばかり送りあっていたのかとか。即レス厳守だったのは驚きました。現在の習慣も例にあげられているので、それが当時はこうだったのか!と楽しく読めました。
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平安貴族の女性たちに関する古典常識を優しく解説した入門書。住居と服装に始まり、当時の美人観、恋愛の手順、宮中で働く女性の仕事について、日記や和歌、物語を引用しながら、わかりやすく説明してくれるので、平安時代の女性に関する古典常識の入門としてはとてもよかった。
恋愛のプロセスに関する部分。男性の間に広まる噂話と垣間見から始まり、和歌のやり取り、三日間の共寝によって結婚という当時の恋愛プロセスが面白かった。
特に、和歌のやり取りでは、男性からのアプローチに対して、女性の方からまずは反論、そしてかわいいつけたしをする、といった表現で、ウィットの利いた和歌を作れることが大事であるのと同時に、そのやり取りには定型的な部分があったことよく分かった。平安時代に必要とされるセンスがよく分かる。
また、当時の宮仕えに対する考え方も勉強になった。宮中に働きに出る女房というと、清少納言や紫式部のようなイメージで、何となく華やかで憧れもありそうなものだと思っていた。だからこそ、『更級日記』などを引用しながら、宮仕えに対する当時の感覚を説明しているところは新鮮だった。
いくつか気になったこととして、読者のターゲットになっている若者観がやや古い印象を受けた。
平安時代の恋愛を説明する章では、和歌のやりとりをメールのやり取りに例えて説明していて、それはそれで分かりやすいのだが、今の10代くらいだと、メールは使わないのではないかと思う。いたるところで使われるカタカナワードも、一昔前の若者言葉、という印象をどうしても受けてしまった。
また、古典世界の女の子たちの感覚を、現代女子の感覚で説明するのは、分かりやすい一方で、そんなに例えられるほど感覚が同じだったのか、とちょっと違和感を感じる部分もあった。
とはいえ、女性目線で平安時代に生きた貴族の世界観、美的感覚、生活感を知りたい人におすすめの一冊。
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タイトルからもわかるように、かなり砕けた言葉で平安時代の生活を解説した一冊。
特徴的なのは古文そのものが一切出てこないこと!
今まで古典をわかりやすく解説した本を色々読んできたけれど、やはりどんなに噛み砕いて書かれた本でも元となる古文は紹介されていたことを考えると、本書は画期的に思えた。
岩波ジュニアは、ジュニアといいながら中学生あたりには難しいと思われる本がいくつもあるけれど、この本は中学生にも本当に読みやすくつくられている。興味さえあれば小学生でも読めるくらい。
特に、なかなかイメージのしづらい寝殿造の構造の説明がわかりやすかった。
高校生になって古文常識を知るために手に取るのではなく、中学生の時に軽い気持ちで本書を読み、なんとなく古典の世界を知る足掛かりを作っておけると理想だなと思った。
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(平安女流文学に描かれた)というカッコ書きがついていればいい本だと思う。残念ながらこの内容を「平安女子」で代表させるのはいかがかと思う。平安時代のごく一部の時期の上流階級(たとえ受領層であっても全体の中では上流)の女子たちの世界を描いたものだから。平安文学を読む参考になっても平安時代史を考えるにはちょっと足りない部分が多いのではないか。つまり中高生対象の、著者の専門とする平安時代の文学入門書といったところかな。
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古文を読む上で必要となる、平安時代の常識が楽しみながら学べる一冊。
最初に貴族の邸宅である寝殿造のバーチャルツアーがあるほか、中高生にとって読みやすい工夫が随所にあっておもしろい。
Posted by ブクログ
平安時代の貴族(特に女子)の生活を、インテリア&ファッション・ラブ・ライフの面から紹介する。
古文は一切なし、文(手紙)は「メール」、日記は「ブログ」と表記するなど、若者が平安人を身近に感じられるように工夫されている。
「寝殿造りバーチャルツアー」「重量級ファッションに命がけ!」「イケメンは美文字」「ちらっと見てどっきり」「即レスはメールの命!」「最後に見せるギャップが鍵」「オフィスのいじめをかわす方法」「未送信箱から浮気発覚」等々、現代人も共感を持ったり、興味をそそられる内容がいっぱい。
平安ファッション女の子編は、着るものを下着から詳しく紹介していますが、モノクロ文庫本サイズが悔しいところ。でもこれで、わが家のお雛様の衣装の秘密もわかりました。
ファッションや恋愛等しか扱っていないし、語り口が軽いので、ノンフィクションにしては弱いけれども、あの時代を身近に感じて理解する入門書にはよいのではないかと思われます。
Posted by ブクログ
とにかくわかりやすく!興味を持ってほしい!という思いがよくわかる本。高校入学前くらいに、ぜひぜひ読んでほしいなあと思う。古文の授業がきっと楽しくなるから。
にしても兼家、ひどいやつだ。許せん。