【感想・ネタバレ】宗教を物語でほどく アンデルセンから遠藤周作へのレビュー

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Posted by ブクログ 2017年09月05日

筆者の島薗さんは小説への造詣が深い。
古い小説から新しい小説まで、日本、海外、子供向け、大人向け、様々に、バラエティー豊かに紹介されていることがうれしく、飽きない。
紹介文に、各小説への愛を感じる。

この本を読むと、
(言われてみれば、当然だけど)宗教と物語は非常に近い関係にある。
ということがよ...続きを読むく分かる。

宗教とは、人が生きる上での苦難に対して、なんとか生きていけるように、寄り添ってくれるものだと思う。(人は一人では弱くて生きられないので、寄り添って、支えてくれるものがあれば、生きていける。)

物語は、読者が自分と違う登場人物と同化し、物語世界を疑似体験することで、今の囚われている自分から解放され、物語のもっている何か(物語の本質)に触れることができる。

宗教を説明する際、論理的に効果などを説明するのよりも、ほかの人のストーリーとして話した方が、聞いている人に、より分かりやすく、「本質的な何か」を伝えられるのだと思う。なので、聖書は物語の宝庫なのだと思う。

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Posted by ブクログ 2017年01月04日

序章 宗教は物語のなかにある 第一章「死」を超える 第二章「弱さ」と向き合う 第三章「悪」に向き合う 第四章「苦難」を受け止める 終章 重なり合う宗教と物語の力

「物語好きの方、また、宗教に関心があるが、宗教教団や教義は敷居が高い、親しみづらいと感じている方に楽しんでいただきたい」との著者の想定読...続きを読む者層にピタリとはまり、どの章のどの参考文献からの引用も興味深く考えさせられるものばかり。
『きりこについて』『想像ラジオ』『わたしを離さないで』など既読のものも改めて読み直したくなったし、遠藤周作『深い河』は読まなければ、という気持ちにさせられる。読書案内としても素晴らしい。

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Posted by ブクログ 2021年08月09日

100万回生きた猫から人を愛する心、マッチ売りの少女から生と死、などいくつかの物語からキリスト教、仏教、他様々な宗教観が語られている。
前半は知っている物語が多く、なるほど、そんな見方もあるのか、と興味深かったが、後半はマイナーな本が多く、本の要約を読んでいる気分だった(それもそれで面白かったが)。

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Posted by ブクログ 2017年06月15日

組織宗教は衰退しても、物語としての宗教は滅びない。その通りだと思う。また、着実に物語の宗教性は深化している。人間の良心は繰り返し蘇るのだ。

島薗さんが取り上げた作品に直に触れたくなった。
特に苦難を受け止める、の章。

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Posted by ブクログ 2017年02月15日

(02.14.2017)

あまり期待せず読み始めたが、興味深い内容だった。なかなかに深い考察だと思った。読んだことない本が何冊か登場したので、今度読んでみようと思う。

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Posted by ブクログ 2016年11月08日

参照作品…佐野洋子『100万回生きたねこ』/アンデルセン「人魚姫」/マクドナルド『軽いお姫さま』/宮沢賢治『なめとこ山の熊』/『新約聖書』「放蕩息子の帰還」と『法華経』「長者窮子のたとえ」/キングスレイ『水の子 陸の子のためのおとぎばなし』/トルストイ『イワン・イリッチの死』/西加奈子『きりこについ...続きを読むて』/『観無量寿経』『大般涅槃経』、阿闍世王の物語/倉田百三『出家とその弟子』/武田泰淳『ひかりごけ』/星野智幸『呪文』/深沢七郎『楢山節考』/石牟礼道子『苦海浄土-わが水俣病』/遠藤周作『深い河』/カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』/いとうせいこう『想像ラジオ』 他

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