【感想・ネタバレ】湯を沸かすほどの熱い愛のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年09月18日

涙が止まらなかった。
家族だけじゃなくて、関わる人すべてに惜しまず愛を与える双葉とそれに応えようとする人たちの姿に心打たれる。
どんな気持ちで安澄の実の母親に手紙を書かせ、カニを食べ、手話を教えていたんだろう。どんな気持ちで夫に会いにいき、鮎子を受け入れたんだろう。そう思いながら読んでいたけれど、想...続きを読む像以上に双葉の愛は大きく熱かった。
母としてももちろん、人間として とても強い人だと思った。自分の弱さも他人の弱さをも受け入れ、人に愛を尽くす。そんな人になりたいと思った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年09月11日

映画はまだ未観でして、先に小説から入ってしまった、という所の作品なのですが、うむ。良かった。なんとも骨太な作品だなあ、という感想。そんなに分厚い小説ではないですし、文章も読みづらい感じでもないですし、サクサク読める作品だとは思うのです。でもそれが、決してお気楽極楽ポップだぜ、という訳では全然ない。内...続きを読む容は相当にヘヴィーにズッシリどっしり。うむむ、骨太。

作者の中野量太さんは、本業は、映画監督なのですね。そっちがメインだよ、という。で、自ら脚本も書いた映画作品を、これまた自らノベライズした、と。それがコレだぞ、と。うむむ、多才だ。映画も撮る。脚本も書く。小説化すら出来ちゃう。凄いですね。同じ日本の映画監督だと、西川美和さんと、似た存在感、でしょうかね?中野さん自身は、この作品の映画版が、自身初の商業用長編映画なんだそうです。

となると、現時点では、西川美和さんの方が、だいぶ先輩格になるのだろうなあ。西川さん、既に何作も映画作ってるし、そのノベライズも、沢山されてるでしょうし。中野氏が、これから先の自らの監督人生で、どれだけ西川美和に近付いていくことができるのだろうか?期待しちゃいますねえ。なんせもう、西川さん、とんでもなく素晴らしい映画監督ですものね。

で、この小説。めっちゃ分かりやすい言い方をするならば、ベタな表現するならば、「母(の愛)は強し」「家族愛」を描いた作品、というシンプルな説明になるかと思うのですが、その場合の「母」とは。「母親的な存在」とは。「家族の間の愛」とは。DNA的な繋がりでは無い。遺伝子じゃあ無い。血の繋がり、ではない、ところに、真の美しさと素晴らしさがある、というのが、中野さんの主張なんだろうなあ、と思いました。B'Zの曲でいうならば、「RUN」ですよねえ。時の流れは、人の絆は、時には血よりも濃いもの作るんだぜ、ということでしょうねえ。

主人公である幸野双葉は、娘として育ててきた幸野安澄とも、旦那である幸一が連れてくることになった片瀬鮎子とも、血は繋がっていない。特に、安澄が実は双葉の実の子ではない!というのが分かったところで、物語の前半~中盤のとある場面で安澄が言ったセリフ「お母ちゃんの遺伝子ちょっとだけあった」が、終盤の種明かし場面において、ホンマに切なく素晴らしいセリフになるんですよねえ。まあ、んで、血の繋がっていない存在であるにも関わらず、この作品のなかでは、双葉は、二人にとって圧倒的に「母親」になるんですよね。血の繋がった実の母である坂巻君江、片瀬幸子、という存在は、それはそれである上で。

人と人との本当の繋がりは、血縁では無いぞ、と。どれだけその人が真剣に生き、どれだけ誰かの事を真剣に愛することができるか。それこそが真の意味での人と人との繋がりなのだ。そもそもだって、人って、完全に血の繋がりのない赤の他人の男と女が出会って好きあって愛し合って、新たな生命を生みだすんじゃん。で、家族になるんじゃん。ということなのか。なのかなあ?

それが中野量太さんの言いたい事伝えたい事なのか、とか思った次第ですが、うーん、好きですね。俺はコレをどうしても伝えたいの!って所は、ビシバシ伝わってきたし、その伝え方も、上手いと思いました。ですので、好きなんですよねえ、この作品。

エンディングは、相当に衝撃的です。こりゃあ、ある意味とんでもねえ結末やな、って思いました。倫理的に良いんですか?ってか、倫理ってなんやろなあ。この結末は、これはこれで、最高に相応しい、といいますか。まさに題名そのもの。うおお、タイトルがここに繋がるのか!という凄まじい納得感、あります。なんせ、幸野家の人々、お母ちゃんである双葉の遺体を、銭湯の釜場の炉で、焼いちゃうんですよ。まあ、火葬、と言えることもないことも、ない、か?で、その、お母ちゃんを燃やした熱で、お風呂沸かして、そこに「ええ湯だな~♪」って、湯船につかるんですよ、家族で。とんでもなくシュールやんか。猟奇的すぎるやんか。でもそれは、当然の事であり、お母ちゃんに対する最大限の愛情表現であり感謝の表現であり、もう、絶対に正しい事なのだ。幸野家にとっては。

この場面が持つパワーは、ホンマに凄いと思いました。一般社会のモラルも倫理も全てぶっ飛ばして、この家族にとっては、これこそが真実の愛なのだ。で、それは、なんらかの感動を、俺には、呼び起こしたのだ。すげえ事ですよ、うん。

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Posted by ブクログ 2019年05月29日

恋愛の本を読みがちな自分だけど
こういう本を読むと
やっぱり家族愛が一番好きだと実感する。
どんな愛よりも家族の愛があればそれだけで生きていける。
血が繋がっていなくても、家族だと思えばそれは家族なんだと思う。

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Posted by ブクログ 2019年03月02日

想像以上に深くて熱い愛情に圧倒された。
確かにこれ程の熱量なら湯もすぐに沸けるはずだ。
「お母ちゃんはこれからもあたしのお母ちゃんだ。みんなの中から、お母ちゃんが消えることは決してない」
その人の匂いを嗅ぐだけで安心できる。
幼い頃からの無意識の記憶がそうさせている。
それが母の凄さだと改めて思った...続きを読む

愛しい娘を見守り、常に全身全霊でぶつかる母。
「少しの延命のために、自分の、生きる意味を失うのは絶対に嫌、私には、どうしてもやらなきゃいけない事が、まだある」
限られた時間の中、最後まで娘に自分の精一杯を差し出す母の潔さに泣けた。
同じく娘を持つ母の私には、ここまでの覚悟はまだ足りない、と反省してしまった。

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Posted by ブクログ 2018年01月16日

映画が良かったので原作?ノベライズ?に手を出したのだけど、、、。文章が拙いな。もったいない。もっと細かい描写をすればもっと良い本になるのに。原作より映画が良かったっていう作品は初めてかも、、。たぶんこの☆4つは映画の分。

強くて優しくて芯があって。血はつながってないけど区別することなく誰にでも同じ...続きを読む接し方で。こんなお母ちゃん役に宮沢りえがとても合っていた。とても温かいストーリーなのだけど、最後、これは、、、。えーっと、どうレビューを書けばよいのやら。

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Posted by ブクログ 2016年12月11日

やっぱり映画で見た方がきっといいんだろうと思う
宮沢りえさん、オダギリジョーさんを思い浮かべながら
ああ、いいなぁと思いながらも
映画の原作小説って、ちょっとシラけるかもな

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