あらすじ
8歳で発達障害と診断された僕が、なぜ自分の才能を生かす場所をみつけて輝けるようになったのか。母、主治医、友人・又吉直樹氏のインタビューも収録。誰もが輝けるヒントがみつかる!
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Posted by ブクログ
母子ともに発達障害を抱えながら、アメリカで育った栗原類が向き合ってきた人や環境、生き方などを記したエッセイ。
米国の教育では、他人の行動に口を挟むのは幼稚な行為であり、不利益を被らない限り「同じ立場の人間が避難するのはおかしい」ということを幼少期から植え付けるそう。
また、何か問題が起きたときに、日本では「とりあえず誰かが謝らないと収まりがつかない」のに対し、米国では「どんなに問題が起こっても誰も謝る必要はない」し、「誰が悪いかなど考える無駄な時間は必要ない」という。こうした考え方の相違も知れ、見習うべきところは多いなと感じた。
米国の障害についての考え方も同様に、問題が起きたときに多目にみてもらうためだけでなく、問題のない範囲の日常で配慮してもらうために、少しでも多くの人に周知して知ってもらう努力をするよう指導するそう。
日本では(自分も含め)まだまだ発達障害に対する理解と対応が伴わないが、栗原類が接してきたアメリカは日本よりずっとずっと先を進んでいることが分かる。
仕事と子育てを両立しながら自他の障害に向き合ったお母さんの言葉は深い。
俳優が演じる多くの役は、普通の人の役であり映画をみるのは普通の生活を送る人達。その人達を感動させたいなら、普通の生活をして その中の幸せを感じた方がいいから、なるべく大学まで進学して、普通の人と同じ生活を長く続けてほしい、という話にはほろりとした。