【感想・ネタバレ】殺人者の空のレビュー

あらすじ

学部自治会での内ゲバの結果、私はM派の内通者Kを殺害した。死体は仲間たちによって埋められ、事件の痕跡は完全に消去された。その後、私は警察から任意出頭を求められ大学も独自に調査を開始する。しかしその結果明らかになったのは、被害者とされるKなる学生が存在しないという奇妙な事実であった……非在の男がもたらす不安が、〈殺人者〉を異様な結末へと導く表題作の他、単行本初収録となる「内宇宙の銀河」をはじめ、「開放時間」「森の人々」「φ(ファイ)」など貴重な作品を集成。日本におけるニュー・ウェーヴSF運動を牽引した著者の真骨頂ともいえる9編を収録する。

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Posted by ブクログ

山野浩一傑作選のその2。『鳥はいまどこを飛ぶか』と比べると少し時代が後のものが多いのかな。より思弁的で幻想的な内容ヘとシフトしているのが作風の変化として印象的。収録作だけでなく、その掲載順にも配慮が施されているため、二冊併せて作家・山野浩一ヘの入門編として最適。「あとがき」での著者自身による自作への冷静なツッコミも愉しい。

「メシメリ街道」、「内宇宙の銀河」、「ザ・クライム(The Crime)」がお気に入り。

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2011年11月19日

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