【感想・ネタバレ】国王と寵愛なき愛人のレビュー

タラ・パミー / 東みなみ

国王の“元愛人”それほど屈辱的な呼び名があるかしら？

ローレンはニューヨークからベーラートへやってきた。目的は、最愛の恋人ザフィルを悼むためだ。そこでローレンが目にしたのは、予想外の光景だった。ザフィルは生きていたのだ――国王として。彼と関係を持ったローレンは連行され、尋問を受ける。そしてその際、ザフィルが彼女を束の間の遊び相手としか考えていなかったと知り、悲しみと怒りで意識を失ってしまう。宮殿で目覚めたローレンは、見知らぬ女性から事務的に告げられた。「あなたは妊娠しています。今日からここで暮らしていただきます」

■本国での評価も高い期待の新人タラ・パミーの新作は、砂漠を舞台に繰り広げられる激しい愛憎劇です。思いがけず国王の後継ぎを身ごもってしまった看護師ローレンの運命は……？

[ブクログ · ★★★★☆]

面白かったです。

ハーレクインの定番、砂漠の王と異国人の女性が立場や習慣を越えて結ばれるまでを描いています。

ヒロインのローレンはアメリカで救急病棟の看護士をしていて、ザフィルという男性と出会います。束の間の恋に身を焦がしている最中、彼はある日突然、彼女の元を去っていきました。
彼の祖国で暴動が起き、多くの人が亡くなったという悲報を耳にしたローレンは矢も楯もたまらず飛行機で彼の祖国に向かいます。
しかし、空港に降り立った彼女が見たのは死んだはずの恋人で、しかも彼は国王だといわれ―。
更に王の子を身ごもっているという衝撃の事実が彼女に伝えられます。

子ども時代の体験にトラウマを持つ二人が出逢い、トラウマゆえに理解しあえず誤解しあえない二人。最後はそれを乗り越えて真の夫婦になれて良かったです。