あらすじ
魔術学院を首席で卒業し、高給取りの王宮魔術師の助手になることも決まっていたシャーロット。薔薇色の人生が約束されていたはずなのに……。突然届いた内定取り消しの手紙によって、それはもろくも崩れ去ってしまった。こんな理不尽な仕打ち許せない! シャーロットは原因を突き止めるため、差出人である王宮魔術師クライヴの元へと向かったのだが……。そこには、猫耳猫しっぽが生えている男がいて!? 呪いのせいで絶賛引き篭もり中の魔術師と猫好き助手の解呪ラブコメディ!
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お猫様は偉大です
呪いで猫耳しっぽが生えてしまった魔術師と、猫狂いの助手のお話。
全体的には、魔術師とその助手の会話が漫才のような掛け合いでコメディ風味。可愛い猫さんもたくさん出てきて癒されます。挿絵も可愛いです。
ただ、魔術と呪いが題材になっているためか、少し仄暗さを感じます。『機関』が舞台になっているせいもあるでしょうか。組織の中の自分たちと取り巻く人間たち、異質なものへの恐れと排除という図が描かれている気がしてぞわりとしました。
呪いが解けず、周囲にそれを知られたクライヴ様が機関を追われるまでは、読んでいて苦しかったです。
主人公シャルは、何事にも動じない『鉄の魔女』と呼ばれる存在。ただの猫好きではなく人間に対する諦めのようなものが感じられました。周囲から孤立したふたりは、ともすれば互いしかいない閉じた世界に生きる選択肢もあったかもしれない。しかし、クライヴは自分とは違うから人間の中で生きてほしいと願います。
シャルとクライヴ、これまでの人との関わり方の違いもそうですが、どちらも優秀であれど自分は秀才(努力して手にした才)クライヴは天才(天性の素質)の違いがあるように感じたのかもと思いました。
クライヴを好きになって、優しさに触れて。最後には自分もまた人間に興味を持つことができるだろうかと思えたのが素敵です。愛です。
猫神様から彼女への寵愛は、信心深さの証なのでしょうか。信じる者は救われます。
呪われる前のクライヴ様は陽キャだったんだろうな……
不憫さが目立っていますが、スパダリの香りもします。
物語はシャルさん目線で語られているので心理描写は少ないですが、結構初めからシャルさんのことが好きでしたね。運命とか言ってみたり、なかなかロマンチスト。猫耳がなくても可愛いです貴方。あからさまなアプローチも相手に通じていなくてニコニコしてしまいました。
明言されてないけど、歳の差どれくらいなのかな…無防備なシャルさんにどぎまぎしたり唇を奪われたりしていましたが、優秀ですしやる時はやるタイプとお見受けしました。公私共にシャルさんと末永くお付き合いしてくださればと願います☺️
続編があれば読みたいです。
(発売日から結構経ってるし無理かなー…)