あらすじ
発想・食欲増進、ダイエットから防犯、事故防止まで意外と知らない「色」の秘密--節電するなら夏は白、冬は黄色? 青色光が防犯や自殺防止に有効なのは本当? 白色光の下のほうが甘みを感じやすい? 食品パッケージに赤や黄色が多いのはなぜ? 家族団らんにはベージュのテーブルクロス? 青色のクルマは事故を起こしやすい? 古代の日本には4色しかなかった? 囲碁の碁石は白と黒で大きさが違う? 歳をとるほど赤や黄色に敏感になる? 青色LEDが白色光に変わるのはなぜ?
色の効果を使いこなして、人生を豊かに! 色は、私たちが思っている以上に、人の心や身体の働きに大きな影響を与えています。例えば、「暖色系」「寒色系」というように、部屋の色調を変えるだけで、実際の体感温度にも、エアコンの設定温度を変えられるほどの差が出るといいます。果物が熟すと赤くなるのは、それを動物に食べさせて種を遠くに運んでもらうためですが、同じ哺乳類でも、果実を餌とせず、草を食む動物は、色覚が発達していません。果実を目立つ色として知覚する必要がなかったからなのです。「この上着に合うネクタイは何色?」「プレゼンでどの色を使ったらわかりやすくなる?」など、色の知識が増えれば、もっと私たちの暮らしは豊かで楽しくなります。
本書は、視覚心理、照明環境の専門家が、学術的なバックボーンのもと、色の見え方や、色が人の心理や生理に与える影響について、上記のような実際例や蘊蓄を交えながらおもしろく解説します。
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Posted by ブクログ
色についてはなんとなくの印象に基づく話が多いが、本書はまがりなりにも実験によってその効果が確かめられた話を集めている(ただし、効果としては小さかったり、データとしても少数例による実験をマイナーな雑誌に発表しただけのものが多いが)
・人間以外の動物では白目がほとんど見えない。白目が見えると視線の方向が分かるため戦いにおいて不利になると言われている
・明るいところに順応している時、555nmの波長に対して最も感度が高い。暗いところに順応しているときは507nmで感度が高い。そのため、赤い色は暗いところでは暗く見え、より短波長の青色が夜間はより明るく見える。(プルキンエ現象)
・赤やオレンジ、黄色は進出色といい、実際よりも近くに見える。逆に寒色系の青は後退色とよばれており遠くに見える。青い自動車による事故が多いのは、実際よりも遠くに見えるためだと言われている。
・白は大きく、黒は小さく見える。碁石も黒の方が少し大きく作られている。
・青などの寒色系の光を浴びていると時間の感じ方が実際よりも短く感じる。逆に赤では長く感じる。ファストフードの店などでは壁の色を赤にして回転率をあげている。逆に病院の待合などは寒色系にして待ち時間を短く感じさせている。
・ピンク、グリーン、イエローのマーカーによる記憶力の差を検討したところ、グリーンが一番すぐれていた。ただし、疲れるのか、試行回数が増えていくとピンクの方がよい結果になった。下線のみと覆うのとでは、覆う方がすぐれていた。
・信号は、赤が一番右にくる。これは樹木などで隠されるのを防ぐため。縦に並ぶ時は一番上に赤がくる。トラックなどの大型車で隠されるのを防ぐため。