【感想・ネタバレ】たまさか人形堂それからのレビュー

あらすじ

口紅を塗られたリカちゃん、髪が伸びる市松人形――。
人形の修復と謎解きなら「玉阪人形堂」へ! 好評シリーズ第二弾

OLをリストラされたことをきっかけに、祖父母から譲り受けた「玉阪人形堂」店主となった澪。
人形制作に関しては素人だったが、押しかけアルバイトの人形マニア・冨永と
高い技量の訳あり職人・師村の助けもあって、人形堂はそこそこにぎわいを見せていた。
いっとき店は閉店の危機に見舞われたが、資産家の坊(ぼん)でもあった冨永が共同経営者の立場になることで、その危機は去った――。
今日もこの小さな店には人形に関する様々な難題が持ち込まれる。赤いマーカーの汚れがついてしまったリカちゃん人形、グループ展でなぜか壊されてしまう人形作家の「ある作品」、髪が伸びる市松人形の謎、盲目のコレクターが持ち込んだ小田巻姫の真贋――。
人形と人間の不思議で親密な関係を円熟の筆で描く、「たまさか人形堂」シリーズ第二弾。

【目次】
香山リカと申します
髪が伸びる
小田巻姫
ピロシキ日和
雲を越えて

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

澪さんモテ期突入!?
師村さんの天然度がアップしてる?
そして青年よ、スランプか!
そんな第二弾でした。

リカちゃんか~。
うちは母がジェニーちゃん推しだったので、リカちゃんは持ってなかったんですよね。
ただ従姉妹のお下がりで、リカちゃんハウスはあったかも。
ピンクの屋根に水色の壁の折り畳み式で、プラスチック製だったかな。お下がりなので付属の家具はなかったけど、丸いランプがお洒落で気に入っていた記憶。
うーん、懐かしい。

愕(おどろ)いた、莞爾(かんじ)としてとか、オウナーにメイカーなんていう書き方が、レトロ風味で好きだなぁ。
莞爾としては「にっこり微笑むさま」、だそうです。
思わずぐぐった。
願わくば第三弾、早めに出るといいな!

0
2016年02月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ゆるやかにつながりを持つ連作短編集。長編とも呼べる。

物語の含む柔らかさ・温かさ・厳しさも勿論だが、特筆すべきは「会話」の緩やかさ・鋭さ。
こいつらの丁々発止をいつまでも聞いていたいと思える。
個人的には漱石→奥泉光→津原泰水の水脈が見えた。

「香山リカと申します」
「髪が伸びる」
「小田巻姫」
「ピロシキ日和」
「雲を超えて」

エピローグ「雲を越えて」。
かつて自分が書こうとして挫折した小説のことを思い出して、心地よく敗北宣言を胸に刻む。
2冊の中に2冊以上のボリュームが篭っているからこそ、この章の深みが味わえる。
(カラックス「ホーリー・モーターズ」の結末が取ってつけたものでないのも思い出させてくれた)

0
2016年06月24日

「小説」ランキング