あらすじ
雨の降り続く日、訪ねてきた女に俺は仰天する。
彼女は数時間前、俺に殺され、浴室で冷たくなっているはずだ――。
過去に負い目を抱えた人々に巧みに迫る、正体不明の復讐代行業者。
彼らはある「最終目的」を胸に、思いもよらない方法で標的の一番の弱みを利用し、恨む人・恨まれる人を予想外の結末に導く。
人間の心を丸裸にする、6つの恐るべき復讐計画とは――。
再読必至の新感覚リベンジ・ミステリ!
解説・村上貴史
※本電子書籍は、2014年8月に小社より刊行した単行本「GIVER」を改題した文庫が底本です。
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Posted by ブクログ
メインは復讐代行なのだが、それだけでなくメンバーのスカウトを行う話を時系列を遡る形式で描き、後に行う仕事や起こる出来事に関する台詞の入れ方が緻密だった。ショット、コールド・ケース、ロスト・ボーイ、ギバーが気に入っている。ロスト・ボーイに登場する少年の正体と彼に接した義波の目的の意外性が印象的。
Posted by ブクログ
「おすすめ文庫王国」からのチョイス、2冊目。
1位の本が棚に目立つように置かれていたのだけれど、ちょっと重そうだったので、「国内ミステリー1位」のこちらにしてみた。
ある最終目的を胸に、思いもよらない方法で標的の一番の弱みを利用し、恨む人恨まれる人を予想外の結末に導く正体不明の復讐代行業者・GIVER。
主人公と思っていた男が実は…、という最初のお話。
誰が復讐の対象であるのか最後まで分からない第二話。
人殺しのカップルや歌手とそのファンの行く末がどう復讐に結びつくのか二転三転する第三話、第四話。
話の番号が順に遡っていく意味に漸く気がついた第5話。
GIVER誕生の秘密が明らかにされる最終話。
短いプロローグに続く6つの話は緊張感も孕みそれぞれ凝った作りで結構楽しめた。
中でも、欺いたつもりが欺かれ、何が幸せで何が不幸せか、人の心の裏表の機微が巧みに描かれた第5話が深い。