あらすじ
【第16回柴田錬三郎賞受賞作】男はもうこりごりと思った私は、ついに念願の猫を飼うことにした。が、二匹のうちの一匹がどうしてもなつかない。表題作「秋の猫」。夫婦で犬を飼い始めたとたん、仕事は順調、夫は女をつくった。いざ離婚というときに、夫も私も犬の親権を主張して譲らない。「幸運の犬」ほか、犬や猫との交流をとおして、心を癒され、孤独の寂しさを埋めてゆく男女を描く、心温まる短編集。
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Posted by ブクログ
短編集。
すべて動物が絡んでいる。
印象に残ったのは2つ。
「幸運の犬」
最後の、してやったり感が気持ちよい。
別に夫婦のどちらも、似たようなものだけど、純粋に一緒にいたいと思う妻の方に(完全なる純粋ではないけど)、軍配が上がるのはすっきり。
特に秘書(旦那の愛人)の上から目線がイライラだったので、実際にラッキーを運ぶ犬かどうかは別として、これぐらい気持ちよく犬を連れて帰れたのは、よかった。
ただ、犬好きからすると、どっちもどっちではあるんだけどね。
あとは「病む犬」。
気持ちがわかるから。
しかも好きで飼い始めたわけではなく、でも、弱い犬を見捨てられない気持ちがわかるので。
そしてきれいごとを言ってられないぐらい、お金もかかるし、時間もとられる。
結婚もできて、子供もできて、幸せに思う時間がもてたことが、なによりうれしかった。
マシューのせいで、が、マシューのおかげで、になったので。