あらすじ
「少し怖い人」だと思っていた彼は、思いのほか可愛らしい人だった――。大学生の大和は、亡き祖父の家で捜し物をしている。それは日本画家だった祖父の唯一の人物画。けれど、祖父の同居人だったその家の現在の住人・閑野の不摂生を見かね、家事もすることに。涼やかな美貌の閑野と夏を過ごすうち知らず惹かれていった大和だが、閑野が祖父の愛人だったらしいことに気づいてしまう。祖父に心をとらわれたままの閑野の姿を見るにつけ、大和は苛立ちを覚え――。
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Posted by ブクログ
日本家屋の中を吹き抜ける風を思わせるような
深い愛、後悔、懺悔、譲れない想い、落胆、家族愛、親子愛、新しい愛、色々な感情を静かに明確な形にして、伝わらなかった想いと通わせる想いが静かに紡がれたお話でした。
祖父の葬儀で初めて祖父の存在を知ることになった 大和
大和の祖父 慶春に想いを寄せ同居していた 閑野
大和の緩い懐の優しさが、閑野と祖父と父親の関係を解き放つ。
とても静かで悲しい優しさを感じました。
後半の無邪気さがまた良かったです。