【感想・ネタバレ】昼、介護職。夜、デリヘル嬢。のレビュー

あらすじ

人間の、最後に残る欲望は何か?
―――僧侶であり作家、家田荘子の新境地。日本の貧困と煩悩を炙り出す。

「ここ(介護施設)は、死を待つ監獄(かんごく)。三畳くらいのお部屋が、その人の死ぬまでの生活の場所。
寝たきりの人なら、一畳分のベッドの上がすべての生活の空間です。左にティッシュ、右にタオル、生活必需品が
全部ベッドの上の頭の所にあるんです。生活の場なら、そこで性の営みも行われてもいいはずですよね。
ただただ毎日を過ごさなきゃいけないベッド生活で、生きていて良かったっていうか、生きていることの幸せを感じてもらえるようにしたいと、
私はお手伝いしているんです」 ―― 本書に登場する女性の言葉より

―――私は、何も答えられなかった。寝たきりの男性に、生きる希望を他にどう与えてあげることができるだろうか。
目の前に生きる希望を失っている人がいたら、私は僧侶として何ができるだろうか。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

 タイトルの通り、昼に介護職として働き、夜や休日にデリヘル嬢として働く女性にインタビューした形式のノンフィクション。

 介護という世間に対して正しい職業と、デリヘルというセックスワーカーを両立させている女性が多数いる。それは介護職だけでは食べていけないほどの低賃金であることに加え、いま、介護されている人たちの、介護する人へのみくだしのまなざしがある……という話なのだが、どうにもなんだか「ノンフィクションの形式を取った作者のメッセージ」という気がしてならない。
 この本に出てくる彼女らは、きらきらとしながらやりがいを持ちプライドを保ちつつ両方の仕事に片足ずつを突っ込んでいる。だけど、そうじゃない人も居るんじゃ無いか? その声を拾わなくて良いのか? 本当の低賃金による苦労はそこにあるのか? となる。
 個人的には、ブラック企業のことを「自分を鍛えるのに良い場、向上心がないから辛いって言う」のに似ているような気がする。

 なお、この本に出てくる女性がニセモノだとか嘘だ言うつもりは無い。立派に働いているし、よくぞきちんと立っていると思う。
 だが、彼女らを選ぶ作者さんの視点は、果たしてフラットなんだろうか……と疑問を感じた。
 数をそろえるなら考え方の違うバリエーションが知りたい。あるいは、ひとりの個人をもっと深く。もしくは、介護という業態をもっと深く掘り下げた内容が知りたくなった。
 もしかしたらこのシリーズで何作も書く第一作かもしれないなとも思う。

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2016年08月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

デリヘル嬢、という言葉にいやらしさを感じていた、そんな自分を恥じた。介護職と大差ないのかも、そして究極の介護職がデリヘルなのかもしれないと感じた。

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2016年08月01日

Posted by ブクログ

「介護の仕事が好き。」
報酬が低くても好きな方がいらっしゃるからこの業界、今ギリギリで何とかやっていけてるのかもしれない。
家族の知らないところで、大変な苦労がある。そんなこと知らなかった。。。
「報酬が高くなってもデリの仕事は続けたい・・・」この気持ち、男の私にはまだわからない。

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2016年11月30日

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