あらすじ
国際社会をリードする「唯一の超大国」アメリカ。そのアメリカを率い、世界に強い影響力を及ぼすアメリカ大統領はどのような指導力を発揮してきたのか。「建国の父」と呼ばれる初代ワシントンから、リンカーン、ルーズベルト、レーガン、ブッシュ、そして初の黒人大統領オバマまで、歴代大統領の足跡を辿りながら描くアメリカ史。
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Posted by ブクログ
▼岩波ジュニア文庫は信用しています(大人が読んでためになるシリーズだなあ、という意味で(笑))。これは確か世紀の名作である、(僕にとっては)「世界史読書案内」(これも岩波ジュニア新書)に載っていたんです。
いつか読もうと思ってました。
▼歴代のアメリカの大統領について、
・こんな経歴の人だったんだよ
・この人の時代はこんなで、こんなことをしたんやで
ということをひたすら書き並べただけの本。
スバラシイ。オモシロイ。
アメリカ史が分かります。
書き手の力でしょうね。
▼現代では民主党がリベラルで共和党が保守愛国的、という印象がありますが、これがもともと逆だった、というのにびっくり。現在のイメージになったのはFDRからだったんですね。ルーズベルト。
▼奴隷解放のリンカーンは共和党だった。共和党がモダンな北部産業の利権を代弁していた。民主党が保守的な南部産業を代表していて、民主党が奴隷制断固維持だった。
▼アメリカが独立して以降、ヨーロッパやアジアとどうかかわるか、が現代史との交差点になるのですが、第1次、第2次世界大戦の決断って、それなりに大変だったんだなあ、と。
▼FDR、ニューディール、というのはかなり「社会主義的」なことだったんですね。資本主義を「階層社会、格差社会」にしないためにどう修正していくべきか。主題は現代的。
▼もうちょっと「南北戦争はなぜ起こったのか」が知りたくなりました。現在のアメリカ合衆国の姿になれたのは、この分断を乗り切れたからなんですね。
Posted by ブクログ
大国アメリカの歴史を、初代ワシントンから歴代大統領の足跡をたどりながらアメリカの歴史を解説した本。
高校生の頃、政経の授業が面白くて政治に興味がわいたものの、新聞やTVなどでリアルタイムに「勉強」できるのは日本の決められない政治ばかり。歴史の授業で習ったリンカーン、ルーズベルトやトルーマンがいったい何をしたのかは大抵一言で片づけられ、その時代生まれてもいない私には遠い存在だった。ジュニア新書だし、ぱらっとめくって分かりやすいと思えたので読んでみたけど、アメリカの歴史を初めて知るには素晴らしい。ニューディール政策やウォーターゲート事件など、名前だけは知ってるものがきちんと説明されていて、でもかといってうだうだ長くもなく、分かりやすかったです。個人的には唯一4選されたフランクリン・ルーズベルトの話が印象に残りました。車いすの生活を国民に見せるのを嫌がったそうで、マスコミも報道しなかったおかげでその事実をほとんど知られることはなかったらしい。アメリカの歴史とは関係ないけど、当時はマスコミも下品に騒ぐだけのものじゃなかったのかと驚き。古き良き時代、というのをちょっと感じる。