あらすじ
ロマンス小説の編集部に所属する白石瑞帆は、際立った容姿と男の色気を兼ね備え『ロマンスの帝王』と呼ばれる黒川因編集長に叱責され、偶然訪れた『酵素バー』で酵素カプセルを試すことに。カプセルから出るとそこは一面の砂漠。アラブ服を纏った黒川そっくりの男が現れ、この国の王・マリクと名乗り、白石に「私の花嫁だ」と甘く囁くが……!? 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
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Posted by ブクログ
プロ作家と担当編集者という、非常にアマチュア書き手にとっては興味深い世界と設定に引きこまれました。
主人公は若手の編集者で、ベテラン売れっ子作家の担当になり、周囲からは羨ましがられている。しかし、本人はまったくジャンルの違うノンフィクションなどのような編集部に行きたかったにも拘わらず、ロマンス小説の方に回され、意欲を失っていた。それでも、彼なりに仕事は精一杯こなしているつもりだったのに、担当している作家から「別の編集者に代えて」と言われ、大ショックを受け、更には直属の上司である黒川編集長からも「真面目にやる気があるのか」と激しく叱責され―。
主人公が会社帰りに立ち寄った「酵素バー」のカプセルに入ると、何故か畏怖している編集部長の黒川と激似の砂漠の王様が「夢」に現れ、愛していると熱っぽく優しく迫ってくる。
果たして、この謎の「酵素バー」とは?
結末としては、ひそかに憧れていたイケメン凄腕編集長と主人公が両想いになって終わるのですが、、、
この「酵素バー」で見る夢? が主人公の願望であったのかどうか、結局、現実世界とどう拘わっていたのか、よくよく考えると辻褄があいそうであわない部分があったり、主人公に厳しい一面しか見せなかった黒川がいきなりラストで「好きだ」と熱烈告白する辺り、私的には腑に落ちない部分も幾つかありました。
まあ、「ファンタジー」だからと言ってしまえば、それも通るのでしょうか?
ただ、主人公の青年も黒川もキャラとしては魅力的で、主人公の仕事に対する葛藤などもよく伝わってきて、その点は良かったと思います。