あらすじ
大手化粧品会社に勤める優貴は、目に見えない恋愛感情を一切信じていなかった。そんなある日、いつも無表情で感情の読めない後輩の刀根に告白される。その時は無下にあしらった優貴だが、後日仕事でミスを犯しあろうことか保身のために全責任を刀根になすりつけてしまった。刀根は弁解することなく、閑職に異動を命じられ、優貴の前から姿を消す。しかし一年後、専務の娘と見合いが決まった時、再び刀根が現れ「あの時のことを黙っていてほしければ俺に抱かれてください」と、脅迫ともいえる交換条件を突き付けてきて、優貴は嫌々ながらそれに従う。その後も毎週ごとに身体を要求される優貴は刀根への憤りを募らせていくが一方で、彼のいない夜にこれまで感じたことのない孤独を思い知るようになり…? 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
リーマンものです。
ある日優貴は、後輩の刀根から告白される。その時は無下にあしらったが、後日仕事で発覚したミスの全責任を刀根になすりつけてしまった。
刀根は異動を命じられ、優貴の前から姿を消す。
しかし1年後、再び刀根が現れ脅迫してきて…。
タイトルに惹かれました。
優貴はその不幸な生い立ちから『自分は誰も愛せない』『自分は誰からも愛されない』と思い込み、誰にも踏み込まず踏み込ませず生きてきます。
でもその孤独な心の奥底で願う『愛されたい』思い…。
痛々しくて苦しくて、誰にも心を開けなかった優貴の再生の物語です。
確かに優貴は客観的に見たら嫌なやつかも知れない。でもむしろ人間らしい気もするんですよね。
それに自分がしたことについて開き直ってるようで、実は罪悪感を抱えたりしてる訳で、個人的には最初から嫌なやつとかひどいやつといった印象はなかったかな…。