【感想・ネタバレ】徘徊老人の夏のレビュー

あらすじ

「また出てきたんだよ、じいさんが」……このひとはふだんは老人養護施設におとなしく入居しているが、発作的にベッドを脱走して横浜の場外馬券売り場で有金をはたく。勝てば野毛の飲食街でえんえんと飲み続ける。すっからかんになったところで箱根のK・Hさん宅に転げ込む。(「徘徊老人の夏」より)ありふれた日常から別世界へと誘う、諧謔と機知にあふれたエッセイの数々。

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Posted by ブクログ

対談本で「近頃の編集者は仕事を頼むのに相手の本も読まない」と保阪正康や半藤一利が怒っていたが、この著者は「自分が編集者だった頃とは時代が変わった」と受け止めあまり気にならないよう。本書を通じて概してそのような良い意味でのこだわりのなさ、時代や街の変化を寂しがりながらも受け入れて「これからどうなっていくのか」との好奇心を絶やさない姿勢が好もしく感じる。
冒頭の温泉で耳に挟んだ雑談が象徴するように、下世話なものの中に妙味を見出す技の裏には膨大な蓄積があるのだろう。

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2025年12月27日

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