あらすじ
OL二ノ宮こと葉は、想いをよせていた幼なじみ厚志の結婚式に最悪の気分で出席していた。ところがその結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞だった。空気を一変させる言葉に魅せられてしまったこと葉はすぐに弟子入り。久美の教えを受け、「政権交代」を叫ぶ野党のスピーチライターに抜擢された! 20万部突破の、目頭が熱くなるお仕事小説。
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Posted by ブクログ
人にめちゃくちゃおすすめしたい本。
人生のバイブルにしようと思ったくらいです。
スピーチの内容に毎回泣きそうになり、電車の中で毎回顔に力を込めることになりました。
困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。三時間後の君、涙が止まっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩きだしている。
こんな言葉を言えるなんて、心から尊敬する。
自分も普段何気なく発している言葉をもう少し大切に、丁寧に紡いでいかなければと思いました。
Posted by ブクログ
初めての原田マハ!!読みやすかった!!
スピーチライターっていう馴染みない仕事について知ることができたし、そこから政治の話に繋がっていったのもすごく自然だった。
政治の話とかあんまり興味持てないかなと思ったけど、それでもスイスイ読めた!主人公が応援したくなるような等身大の女性だったのも良かったな〜
あと、本当に本当にワダカマとこと葉の恋愛模様が愛おしすぎてニヤケまくりながら読んでました。恋愛小説読みたくなった!!!!
本文中ででてきた、「困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している。」って言葉凄くしみた。元々見た事ある言葉だったけど、この言葉が生み出された背景を知るとより心に響いた。私も落ち込んだことがあったら、この言葉を心の拠り所にしたい。
大満足な読書でした(*¯꒳¯*)
Posted by ブクログ
めっちゃ好きだ!言葉っていうかスピーチってすごい力があるんだなと思ったそして読み終わったあとじんわり泣けた
あつしくんとえりちゃんの間に生まれた子供の名前が言葉の言に織るで言織(いおり)なのめっちゃ素敵だなって思った
ワダカマとこと葉が、あつしくんたちと同じ会場で結婚することもびっくりそしてとても素敵
最後にいつ帰ってくるか分からなかった久遠久美が結婚式に登場する場面も感慨深い
この本がきっかけではじめてスピーチライターという仕事を知れた
想像通りなのに想像以上に美しい
友人から、結婚式のスピーチの話だよ、と言われて読み始めたが、家族、恋愛、友情、キャリア、全部が描かれた美しいお話だった。スピーチで始まりスピーチで終わる構成も美しく、一気に読んでしまった。
当時の政権の話がかなりリアルに描かれていることと、作者の政治思想がちょっと強め?なのでそこは注意。かも。
Posted by ブクログ
読んだ人を優しく包み込み、時に背中をそっと押してくれるような温かい本だった。
「ほんとうに弱っている人には、誰かがただそばにいて抱きしめるだけで、幾千の言葉の代わりになる。そして、ほんとうに歩き出そうとしている人には、誰かにかけてもらった言葉が何よりの励みになるんだな、って」
ほんとうにその通りなの。たった一言の小さな言葉がどれほど大きな力になることか。永遠に心に残り、背中を押し続ける。
私自身、周りの人の言葉で鼓舞されたり、救われた経験がたくさんある。
それでも、
一方で、相手が何気なく放った言葉を気にしてしまったり、自分がこれを言ったら相手はどう思うだろうか、とか、面白く話さなくてはならない、気の利いた言葉をかけなければならない、相手がほしい言葉はなんだろう、とか必要以上に考えてしまう。これはこれで大切なことなのだろうが、度が過ぎると何かを伝えたいと思った時、瞬時に言葉を発することができなくなる。逃したタイミングは2度と戻ってこない。なんてことが多々。
年々人と話すこと、言葉というものが、重荷に感じたり、怖さが増してきているように思っていた。
そんな私が、この本に出会って、言葉の素晴らしさを再認識できたと思う。
言葉で、自分や他者、世界を表現できる。大切な人と心を通わせることができる。
誰かに希望を与えたり、寄り添うことができる。
- 生まれ変わってもまたあなたのお母さんになりたい
今度はいっぱいお話をしましょうね
何故かこの言葉が1番心にズサッと刺さった。
もし、今、母と別れることになったら、、、私は同じように言われるのではないか、と。
大切な人に、思いを届けたいと思った時に、その瞬間に、しっかりと真っ直ぐに届けられるように、私もそれだけの言葉を操るスキルを備えていたいと思った。
一 言葉は書くものでも読むものでもなく、操るもの。
もっと本を読んで、沢山の人と話して、自分の言葉の世界を広げていきたい。沢山の素敵な言葉に出会えますように。
以下、印象に残った言葉。↓
困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。
三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している。
どうだい?そんなに難しいことじゃないだろ?だって人間は、そういうふうにできているんだ。
とまらない涙はない。乾かない涙もない。顔は下ばかり向いているわけにもいかない。
歩き出すために足があるんだよ。
君のお父さんとお母さんが君に与えてくれた体を、大切に使いなさい。そして心は、君自身が育てていくんだ。大らかに、あたたかく、正義感に満ちた心に育ててやりなさい。
「ほんとうに弱っている人には、誰かがただそばにいて抱きしめるだけで、幾千の言葉の代わりになる。そして、ほんとうに歩き出そうとしている人には、誰かにかけてもらった言葉が何よりの励みになるんだな、って」
ささやかでもいい、少し先に「希望」を置いておくこと。そしてそれを目指すことが、生きていくモチベーションになり、目的になる。そういうものだと言じたいし、私もそんな言葉や物語を書き続けていきたいです
チェンジをちょっと変えるだけでチャンスになる。
Posted by ブクログ
聴衆者としてスピーチの力に魅せられた主人公が、今度は書き手(スピーチライター)として、人を動かす言葉を武器に新しい世界へ踏み出していく。″今川のおじさん″が遺した言葉の数々がどれほど多くの人の心を動かしてきたか、その人となりを言葉だけで表現し、物語のキーパーソンとして小説全体を包み込む。その構成が話全体に統一感を与えていて読みやすく、面白かった。欲を言えば、こと葉の恋愛よりも、あれほどまでのスピーチ原稿を、どういう過程を得て言葉を紡いでいったのか、その工程をもう少し詳しく知りたかった。
今川のおじさんが久美さんにかけたあの名ゼリフにも、もちろん心を打たれたけれど、個人的に一番心をつかまれた言葉を、最後に書き記しておきたい。
「君のお父さんとお母さんが君に与えてくれた体を、大切に使いなさい。そして心は、君が育てていくんだ。大らかに、あたたかく、正義感に満ちた心に育ててやりなさい。そして、成長してほしい。」
今川のおじさんの言葉は、読者の心までを動かす温かみを持っている。
Posted by ブクログ
最初から最後まで見応え十分な本だった。
政治の世界ってよく分からないと今まで思っていたけど、女性初総理が日本で誕生し、総理が発する言葉一つ一つに魂を込められているのを感じ、今回は日本が本当に変わるかもしれないと思ったほど、発する言葉に重みがあった。
そんな時にこの本と出会い、政治は他人事ではなく自分事なんだと改めて思う。
スピーチライターという仕事を初めて知り、こんなに魅力的な仕事が世の中にあったんだと感動した。
幼馴染の結婚式で久遠久美と出会い、二ノ宮こと葉の人生が大きく変わっていく。
最初にワダカマが登場した時に、ワダカマとこと葉が結婚してそのスピーチを久美がしたら面白いだろうな〜と思っていたら本当に最後そうなって良かった。
今回原田マハさんの小説を初めて読んだけど、ストーリーの構成がテンポ良くどんどん読み進めていけた。
そして何より言葉に深みがあって、私も自分の気持ちを丁寧に表現しようと思った。