あらすじ
吉野丈二郎は北関東里吉藩一万石の下級武士の次男。ある日、彼は土蔵の箪笥のなかから刀身のない脇差の鞘を見つけだす。自分が使っている傷だらけの鞘から本身を抜き、蝋色塗りの立派な鞘に納めてみると、なんと誂えたようにピッタリ。とその時、異変は起こった。煙のようなものが立ち昇り、それが赤い着物を着た清らかな美少女になったのだ。彼女の名は沙耶。勇猛で知られた吉野家の祖先が遺した鞘に百年宿る九十九神だという。
武具に憑く彼女と契ってしまい、武芸の力を得た丈二郎。大抜擢されて藩主の江戸行きに随行することになるが、そんな彼の前にはさまざまな美女が現れて……。妖しの力で運を開く、新シリーズ第一弾!