あらすじ
狙うは家康の首!“新・真田小説”の決定版。
関ヶ原の合戦から十四年――。世に天下の智将と謳われた真田幸村は、徳川に歯向かった咎から紀州九度山村で籠居生活を強いられていた。
かつての名望とは裏腹に素顔はひどく凡庸で、大坂の豊臣家から届いた挙兵を促す密書も重荷でしかない。
そんな“名将”がとある村で出くわしたのが、猿飛佐助だった。
忍びの里に生まれ育ち、忍び衆に入る人生を拒んで里を抜けた切れ者が、偽りの名将にとんでもない企てを持ちかける。
「おいらが策を授けてやる。それで、あんたをホンモノにしてやる。真田幸村の名と命、おいらに担がせちゃあくれねえかい?」
大坂入城を前に、佐助は同郷の霧隠才蔵をはじめとする精鋭を集めだし、“真田幸村に仕える無双の家来衆、真田十勇士”の評判は日に日に高まっていく。
一方の幸村は、大坂城本丸での軍議に並ぶ武将たちと秀吉の側室淀殿を前に、佐助から譲り受けた秘策を申し出る。それは、徳川の大軍を迎え撃つ先陣に自らの出城を築く、無謀とも思える策だった。
狙いはひとつ、家康の首! 真田丸の死闘に始まる大坂夏の陣の火ぶたがついに切られる!
戦国気風が残る世を、十勇士らが縦横無尽に暴れまわる興奮のエンタテインメント。“新・真田小説”の決定版!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
本作は、虚実入り混じって時代モノの「御馴染なタネ」となっている“真田十勇士”を、少し新しいアプローチで取上げている。「“虚”と“実”」または「“実”と“虚”」というような、ここから踏み込んで「“建前”と“本音”」というような、少し深いテーマが「戦国時代の掉尾を飾ることになった英傑」に託されているような気がした。
「事実とは異なる評判で祭り上げられてしまっている」として、九度山で果てることも止む無しとしていた真田幸村…彼がどうなって行くのか?その真田幸村を盛り立てようと、勝手な打算で仕え始めた猿飛佐助はどうなって行くのか?なかなかに「熱い」モノが在る物語だ…
Posted by ブクログ
確か松阪桃李が主演の舞台の文庫化だったかな?脚本・監督が誰かは知りませんが、笑いの部分がとことなく三谷幸喜な感じ。ラストは・・・まぁエンタメ時代劇だとこうですよね~
Posted by ブクログ
世の評判と異なり凡将だった真田幸村が猿飛佐助ら十勇士の担ぐ御輿に乗ってホンモノに変わっていく姿が興味深かった。
ラストで明かされる「真相」も予想以上で娯楽作として楽しめた。