あらすじ
事故で両目の視力を失った蒼。角膜移植さえすれば、見えるようになる――そう思うと、むしろ何事もやる気になれない。二年が経ち、高校もやめ、漠然とした不安のなかにいる蒼に声をかけてきたのは、友希という女子大生だった。ふたりは惹かれあい、恋人になる。直後、蒼は移植手術を受けることに。だがそれは友希との別れを意味していた…。せつなく香る、恋の物語。
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Posted by ブクログ
事故で両目の視力を失った蒼。
角膜移植さえすれば見えるようになる、
そう思うとかえって何もやる気になれない。高
校もやめ、漠然とした不安の中にいる彼に
声をかけてきたのが、女子大生の友希だった。
二人は惹かれ合い恋人になるが、蒼の移植手術が、友希との別れを意味していた。
視力を失った恋人たち、というテーマ自体は王道だが、
蒼の視点だけで語られる構成が効いている。
ヒロインの視点は最後まで描かれず、
なぜ友希が彼に声をかけたのかが謎として残り続ける。
見えないからこそ、香りや声で相手を感じ取る描写が細やかで、
タイトルの通り、恋が香りとして立ち上がってくる。
友希の破天荒な性格には正直少し苛立った。
指導員にしては不躾すぎるし、蒼を振り回すところがある。
ただ、その理由が終盤で分かると、
彼女の言動の見え方が変わってくる。