あらすじ
未だ時代錯誤な感覚が色濃く残る閉鎖的な瓜生の里は美形が多いと言われ、特に里長である瓜生院家の一族は目を見張るような容姿を持つ。しかし、時代ごとに権力者に年頃の娘や、場合によっては少年を妾や囲い者として瓜生院家から差し出すことで庇護を受け、貧しい里を存続させてきた歴史がある。青桐透は瓜生院家から養子として資産家の青桐家に差し出され、家と身体の弱い父を守るために長きにわたり嬲り者とされてきた。そんな中、透を嬲り者にしていた義父の辰馬が逝去したことから辰馬の実子である左京が一時的に帰ってくることになり…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
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シンプル
作者もあとがきで書いているように、エロと鬼畜がテーマなように、ストーリー自体はシンプルです。ハッピーエンドだし、受けは健気でかわいい。攻めは鬼畜だけど紳士なので、テーマの割にホッコリしました。いろいろ読んでいるせいか、お話は好きだけど、もうひねりないとお金出してまで読みたいかな?と考えるようになった私では、オススメはしますが、割引になったらで良いんじゃないかな?と考えます。(笑)
Posted by ブクログ
▼あらすじ
家と家族を守るため資産家の家に差し出され嬲り者とされてきた透。
そんな中、嬲り者にしていた義父が亡くなり息子が帰ってきて…。
***
この作家さんの小説を読むのは初めてだなぁ…なんて思ってたら、某作家さんの別名義だという事を読み終わってから知って吃驚。
この作品、雑誌掲載時にはエロと鬼畜がテーマだったらしいのですが、単行本にするにあたって攻めの紳士度が増し、その分鬼畜度が減ってしまったそうで。
確かに、思ってたより甘めな作品だったな、と。寧ろ、鬼畜ですら無かった気がします(笑)
割と最初の方で攻めが受けを陵辱するシーンが出て来ますが、決して無理やりという訳ではなく、どうせ抱くなら相手も気持ち良くさせる…みたいな事を言ってるくらいなので、鬼畜って感じはしなかったかな。
寧ろ本当に鬼畜だったのは攻めの父親と使用人の男くらいで、それと比べたら攻めなんて優しい方だと思いました。
それに、誤解が解けた後は攻めも受けに対してより優しくなってたし、鬼畜攻めがあまり好きではない私には却って都合が良かったです(笑)
因みに、テーマの一つであるエロの方はバッチリでした。
何より雰囲気が良かったですね。どこか閉鎖的で、背徳感のある雰囲気が漂っており、表現の仕方を見るに官能小説を意識してるのかな?と思いました。
『田舎』『未亡人』『喪服』『愛人』といかにもな材料が揃っているので、自分でも意識していなかった性癖をくすぐられたというか、正直、ただのエロよりもエロく感じました(笑) こういうの、結構好きです。
あと、受けが個人的に好きなタイプのキャラでした。
幸薄系なんだけど、見た目とは裏腹に芯はしっかりしてるというか。
薬の影響で淫乱になるシーンもギャップがあって良かったですし、その後の「初めてはあなたが良かった」「あなた以外、誰も知りたくなかった」って殺し文句にはグッと来ました!( *´▽`*)b
因みに攻めも思ってたより紳士だったので悪くはなかったのですが、最後の方で「こんな風に女みたいにオマ○コされて、どうなんだ? 言ってみろ(原文ママ)」と言ったシーンが下品過ぎて正直、ちょっぴり萎えてしまい…(^^;)
同じような男性向け表現は使用人の台詞でも出て来ましたが、まさか攻めは言わないだろうと思っていたので、これはうーん…って感じでした。
また、最後の最後まで攻めと受けの関係が曖昧なままなのもマイナスの一つかな。
結局、好きとか愛してるとかそういう決定的な言葉は二人とも一切言っていないし、二人とも好き合っているのは分かるけど、言葉にしない限りこれってただのセフレなんじゃ…と思うとイマイチ納得出来ないものがあったり。
でも、読後感は悪くないので後は想像で補完する事にします。
イラストはかなり癖があるので、好みがハッキリ分かれるところかな。
私はこういう作品こそ、笠井あゆみ先生のイラストがぴったりなんじゃないかと思ったのですが、表紙絵は結構好きです。(中はちょっと苦手寄りかも…?)