あらすじ
配車サービスの「Uber」、民泊マッチングサービスの「Airbnb」――。今、ITを駆使することで、顧客に「新たな体験」をもたらす新しいビジネスが次々と登場しています。いわば「0から1」をつくり出したビジネスです。
このような動向に注目し、昨今は「新規ビジネスを立ち上げ、イノベーション(革新)を起こそう」と考える企業が増えています。しかし、いざ新規ビジネスを立ち上げようとするとさまざまな壁が立ちはだかります。例えば、ありきたりのアイデアしか浮かばない、周囲の反対に遭って先に進まない、などです。これらの壁を乗り越えられなければ、まだ世の中に存在しない革新的なビジネスはつくれません。
では、どのように壁を乗り越えればよいのでしょうか? 本書は壁を乗り越えるための実践的な手法を、新規ビジネスを企画し実際に動かすまでの流れに沿ってやさしく解説します。
具体的には、新規ビジネスを企画・開発する流れを大きく五つのステップに分割。それぞれのステップを、架空の製造業の現場ストーリーを交えながら紹介します。さらに、企画・開発の過程で発生しがちな課題・問題と、それらの課題・問題を乗り越えるために欠かせない「12のアクション」を詳しく解説しています。
著者の二人はともに、数多くの企業の新規ビジネス立ち上げを支援してきた気鋭のコンサルタント。デザイン思考やリーンスタートアップなど、起業に役立つ手法を熟知しています。数多くの現場で奮闘し、新規ビジネス立ち上げの過程の酸いも甘いも知り尽くす二人だから書ける実践的な方法論は、新規ビジネスを企画しようとしている人にとって手放せない1冊となるはずです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
私の所属する富士通総研で民間部門のコンサルティングを行う同期の黒木昭博さんと、先輩の佐々木哲也さんが執筆された書籍です。
私はビジネスのフレームワーク系の書籍はずいぶん前から読まなくなりました。なぜならリアルビジネスでコンサルティングをやっている中で得られる知見の方が圧倒的に多いと感じていたからです。
しかし、本書は類書とは違い、リアルビジネスとして様々な企業のコンサルティングや富士通本体のビジネスモデル変革などを手がけてきた2人だからこそ書ける、「かゆいところに手が届く」ポイントが押さえられています。
「ここは絶対につまづくだろうな」というプロセスには必ずオススメの方法でつまづきを乗り越える方法が書かれています。具体的には35ページで属性ではなく意味でのラベル付けを行うための、意味的な共通項を引き出すトレーニング方法が示されています。数人がグループとなり、属性ではなく、属性から考えられる趣味嗜好や会話からわかったことを共通項として探していくなどの方法です。
平易に書かれていますが、この方法を実際にコンサルティングとして進めるにはリアルビジネスに裏打ちされた問いかけの技術や論点出しのバックデータなど様々な知識・知見がなければなかなか難しいと思います。
その点では、私もある自治体で取り組んでいる新しい検討方法による経営戦略としての自治体総合計画の目指すまちの姿の具体化、現状の整理、ギャップ(課題)の特定、ギャップを埋めるための施策の柱などの検討にも十分活用可能でとても参考になりました。
さらに分野別の観点などのフレームワークがもう少し盛り込まれていれば、たぶん完璧なのですが、それを求めるのはコンサルティングフィーが必要ですね、きっと(笑)
新たなことにチャレンジしたい全ての方にオススメしたいですが、特に「社内で新しいことをしたいけど…」と悶々としている方や学生さんはとても参考になるのではと思います。☆5つ。
Posted by ブクログ
2024.12.15.
0→1に携わる機会が久しぶりやってきたので再読。
今読むと当たり前になっていることも多くあるが、だからこそ発売当時こうしたノウハウを砕いた言葉で紹介した本というのは新しかったような気がする。
実は学生時代に「明日のコミュニティラボ」主催のイベントやハッカソンに参加したことがあった。そのため、本書を読み進めていると、あの場は体験を通して本書を学ぶ場であったことに気づくことができた。(ところどころデジャヴを感じたのは、フィールドワークやアイデアカメラなど実際に自分が体験した風景を思い起こしたからだろう。)
読み直したことで、今回自分が携わることになる企画の温度感や、スピードがどの立ち位置にあるのかを確かめ、具体的に今回やっていく方向性への確認になった。
ただ、今回読み直して感じたのは、本書の内容を体験した上で読んでるからこそ、想像ができる部分や、会社の体質次第だなと思う部分もあった。
産官学プロジェクトや、アイデアソンならびにハッカソンなどに参加する前に学生さんが読むと参考になると思う。