【感想・ネタバレ】夏の終わりの夕凪に 吐息は熱を孕む 上のレビュー

あらすじ

俺なしじゃいられなくなるくらい、惚れてほしい――。優秀な為替ディーラーという地位を捨て、田舎町で独り暮らしをはじめたあかり。ある夏の日、彼女は、自宅の前で具合が悪くなった男を介抱する。男の名前は飴屋(あめや)。染色作家である彼は、作業場兼住居を探していて、ほどなくあかりの隣に引っ越してくる。少しずつ親しくなっていくふたりだったが、過去の恋に縛られているあかりは飴屋と距離を置こうとする。そんな彼女に、飴屋は思いを告白。彼を受け入れ、いっときはその愛は溺れるあかりだったが…。過去の恋愛に縛りつけられていた女性が、自分をまっすぐに慕ってくれる男性に出会い変っていく姿を描く長編ラブストーリー、上巻。

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大人の恋物語

好きになって忘れられない死期の近い男性を思い続ける女性と、そんな彼女を好きになってしまって、思いをあきらめられない男性の心理描写が丁寧に描かれていて、何度も読みました。

情景描写も丁寧で、うるさいセミの鳴き声が聞こえてくるようだったし、田舎の情景や、庭の様子など、目に浮かぶようでした。

私は染色というものがどんなものなのか全く知識がありませんが、染色についてきちんと調べられているのか、その工程や材料、作品など、詳しく描かれていて、興味をそそられました。これはおまけかもしれませんが、作品を通して、消えつつある日本の伝統を広く知ってもらうという、素晴らしい役割もあると思います。

この巻では、あかりが悠介と別れることを選んでしまい、かなり焦れてしまい、次巻の展開が気になって仕方がありませんでした。

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2020年09月14日

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