【感想・ネタバレ】「ズルさ」のすすめのレビュー

あらすじ

厳しさを増すこの時代を生き抜くには、実直に頑張るだけでなく、ときには「ズルさ」を発揮することも必要だ──。社会全体が敵になるような大きな困難を乗り越えてきた著者が、「人と比べない」、「嫌われることを恐れない」、「問題から目をそむけない」などの誰でも直面する11のテーマを解き明かしていく。2014年新書年間ベストセラー『人に強くなる極意』待望の第二弾。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「ズルさ」のすすめ (青春新書インテリジェンス)2014
佐藤優氏の著作。
2014年12月15日第1刷。
月刊BIGtomorrowの連載「佐藤優の人生修業」と基に 加筆・再構成したものです。
生き方上手になるため、ストレスをより少なく生きる為に
どうするべきなのか著者が組織にどう対峙するべきかを述べている。
綺麗事だけでは生きていけない。
本書ではズルさと表現しているが、より良く生きる為の知恵と言っていい。
印象に残った点をあげていく 「お前、ウソをつくな」と言えば喧嘩になる。
それを「お互いに正直にやりましょう」と言えば特に角は立たず、 相手も不快な思いをしない。
表現を少し変化させるだけで、同じ事柄をうまく伝えることが出来る。
一番よくないのは、出世競争に敗れたからと自暴自棄になって 会社を辞めること。
特にあなたが正社員なら、今の労働環境では それだけでとても有利です。
いい意味の「ズルさ」が必要になってきます。
たとえ出世のラインから外れても、そこそこの立場で仕事ができるなら60歳までは居続けましょう。
そして同時に、会社の価値観とは別の ライフプランを明確に築く。
違うコミュニティーの活動をしたり、 趣味を生かしてそれを副業にしたりする。
その際に大事なのは、最低限の人間的な尊厳を保てる範囲でということ。
会社に居続けるといっても、自分よりずっと年下の社員に
「○○さん、コピーとって」なんてぞんざいに扱われ、 それでも歯を食いしばって我慢するなどというのは精神衛生上よくありません。
インから外れたとはいっても、その道で何十年も仕事をしてきた経験と スキルで、やっぱり周囲から一目置かれるような存在でありたい。
仕事もできて人間的にも信頼されている。
主流から外れていても魅力的な人物として人望も厚い。
そんなトップを目指さない働き方こそが、
大多数の僕らが目指す 理想像なのかもしれません。
ただし、最初から競争を拒否していては、向上心も何も生まれません。
ある時点までは競争の中でがんばり、そこからふっと抜け出した 人物だからこそ競争の虚しさ、自分を取り戻すことの大切さを実感できる。
毛沢東の言葉に「小さな火花も荒野を焼き尽くす」というものがあります。
小さな火花が大火災につながる。火が小さいうちなら消し止められても ある程度広がってしまったらどうすることもできません。
パワハラやセクハラのように、本人は問題と意識していないのに 実は時代や社会は問題だと捉えていることがある。
それに対応するには、常に意識の中で自分の感覚と社会の常識がズレていないか確認する必要があります。
イヤな問題こそ直視する 人は見たいものしか見ない
第三者から見たら明らかにまずいという状況でも、
当事者の本人は意外に平気な顔をしていることがあります。
これは本人が鈍感だったり厚顔無恥だったりするからではなく、
危機的状況に対して防衛心理が強く働いている可能性が大きい。
人間はイヤなシナリオは知りたくないし、最悪の場面を描くことを 避けたいと思うもの。第二次大戦中の日本の軍部なども、 まさに根拠のない楽観論にとらわれていました。
敵の実力を見ないようにして、自分たちの力を過大評価したわけです。
最悪のシナリオを紙に書き出してみる 可視化するだけで、ずいぶん問題に対する気持ちや向き合い方が 変わるはずです。
考えうる最悪の事態を想定し、それに対するイメージを 膨らませて対応策を考える。
危機管理の本質というのは、 問題から目をそらさず、
それを問題として認識することにあります。

知恵ある者の最高の喜びは、知り得ることを知ろうと努力し尽くし、 知り得ないことを静かに敬うことである(ゲーテ)
人間関係だけでなく、仕事ができる人は総じて理屈や論理で ガチガチの人ではありません。ある部分では直感力で瞬時に 判断し即行動に移すことができる、やわらかい思考の持ち主です。
直感・・全く根拠のない想像力とは違います。
たくさんの経験値と論理的な思考を経たうえで、
その蓄積によって 途中の論理的な検証を飛び越え、
一気に結論を導くことができる力です。

厳しい言い方ですが、異業種交流会に顔を出しているのは本業で イマイチの人物が多い。本業で成果を上げている人は、 そのようなところに顔を出す暇もなければ必要もありません。 仕事の中で異業種の人と強固な人脈をつくっているのです。

まじめな話は酒の入らない席でやり、酒が入ったらバカ話に 徹するくらいがいいでしょう。 翌日は飲んだ時の話を蒸し返さない 何事も無かったかのように粛々と仕事をするのが正解です。
男性の場合、絶対に欲しいのが一緒に飲める女友達。
気心知れた感じで飲めて、セックスがからまない女性の方がいいです。
異性とこのような関係になるのは難しいですが、
複数でもいいので 一緒に飲める女友達を見つけましょう。
→女性は男性とは違った価値観や環境で生きている  
男性は政治経済、仕事の話ばかりではなく、映画や音楽、旅行や趣味や食事など遊び心のある話題を提供できるようにしなければなりません。
職場でも失言は避けなくてはならない
会社では上司にゴマをするくらいの感覚でちょうどいいと思います。
日々の仕事では上司にはむやみに自己主張をしたりせず、
上手に上司を立てていました。
独りよがりの正義感で上司に正面からぶつかるなどというのは、 一番愚かな人間のやることなのです。
組織とは個人の価値観や正義感を超えた論理で動くもの。
そこで働いている以上、その論理にある程度は巻かれる覚悟が 必要です。
そして基本的に部下は上司を選べません。
合わない上司の下についたら、なんとかうまくやっていけるように 最大限の知恵を絞るしかないのです。
そのうち異動があり、上司も別な人物に代わるときがきます。
ですから、不用意な直言や失言などはもってのほか。
ときには相手の気持ちをよくするようなゴマすりをする。
サービス、ホスピタリティの一種だと考えるのです。
それでお互い仕事がしやすくなれば言うことはありません。
物事には何をするにも時があり、その時を間違えてはいけない。
様々なトラブルや厄災は時を間違え、失するから起きるのだ
教養がある人かどうかを見抜くのは難しいことではありません。
偏見と差別意識が少ないことをポイントに判断すればまず間違いない。
上司に頼まれた雑用をイヤな顔ひとつせずにこなす。
それが評価になって、今度は大きな仕事を任される。
小さな頼み事や約束をおろそかにしているうちは 大きな仕事を振られることはまずありません。
相手の時間を奪っていないか
意外に大事なのがお尻の時間を守ること。
約束の時間に遅れそうな時、連絡をいれること 受けた恩は石に刻み、かけた情けは水に流せ 上司に対しては過剰な期待をしないようにしましょう。
8割はおかしな人だと割り切るくらいでちょうどいいですし、 その方が気が楽になって、何かあっても仕方がないとあきらめやすいのです。
優秀な上司やリーダーの数は組織の中でせいぜい2割程度。

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2021年12月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

うまく生きるための処世術について書かれた本。「ズルい」というと狡猾な世渡り上手的な印象があるが、この本ではそういった面よりは、至極真っ当に生きる方法が書かれている。「人と比べない」、「嫌われることを恐れない」、「問題から目をそむけない」など、普遍的なテーマについて、元外交官で鈴木宗雄事件で長期間拘留されるなどの特殊な経験や自ら信仰するキリスト教的視点などを交えながらわかりやすく書いている。バランス感覚もある著者なので、内容には納得できる部分も多い反面、「佐藤さん、ちょっと多筆すぎて内容が薄っぺらくありませんか?」と思わなくもない。もっと切れ味鋭い切り口を見せることができる人だけに、そこがやや残念か。

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2016年07月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

外務省出身の佐藤優さん。いろいろあり、退官後、作家として活躍中の方です。

「ズルさ」という日本語は、微妙な表現に感じる。
でも、他国後では、肯定的な意味になると教えてくれる。

◆人と比べない
◆問題から目をそむけない
◆頭で考えない
◆時間に追われない
◆酒に飲まれない
◆失言しない
◆約束を破らない
◆恩を仇で返さない
◆嫌われることを恐れない
◆人を見た目で判断しない
◆上下関係を軽んじない

1つ1つの章の内容に意外性はなく、常識的。
ズルさって何?とタイトルを見直してまうほど。

ただし、モスクワのトイレ掃除の話は、なんとも驚きましたが、やはり、外務省の序列環境の話も、予想はしていましたが、厳しい現実なのだと知りました。

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2015年11月01日

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