あらすじ
【渡辺淳一文学賞創設記念電子化!】だれもが健康に無関心ではいられない。からだへの関心がますます高まっている現代。からだのことを知りたいが、医学の専門書では難しすぎるし、家庭向けの看護全書では味気ない。かつて医師であった著者が自身の経験を通じ、ときにユーモアを、ときに皮肉をまじえて、とことん人体の神秘、人間そのものを解き明かす。著者ならではのメディカル・エッセイ。
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Posted by ブクログ
渡辺 淳一(1933年(昭和8年)10月24日 - 2014年(平成26年)4月30日)は、日本の作家。北海道空知郡上砂川町朝陽台出身。1958年札幌医科大学医学部卒業。同講師。医学博士。初め医療現場を舞台とした社会派小説や伝記小説、恋愛小説を数多く手がけて人気を博した。その後、『化身』『うたかた』『失楽園』『愛の流刑地』など濃密な性描写の恋愛小説で、1980年代から90年代にかけて耳目を集めた。エッセイも多く『鈍感力』が流行語になった。(ウィキペディア)
作家ならではの視点で人間の躰をパーツ毎にわかりやすく説明した平易版「解体新書」。
例えば、
唇の説明には接吻の話、舌の項では舌を噛んで自殺する話や酒に酔わない方法、食道の項では、食道は熱さや異物には敏感だが胃から先は神経が殆ど無いので「喉元過ぎれば熱さを忘れる」では「食道過ぎれば…」の方が正しい。(途中、長嶋茂雄選手の話が出てくるも、漢字が長島と間違っていたが単行本1989年第六刷以降は訂正されたのかな?)
採血に静脈を使うのは、酸素を運ぶ動脈はより生存に重要なので体の奥に隠されているため。
絶対ありえない親子の血液型は、AとOの親から ABやB、 BとOの親から ABやA 。
心臓以外の他の臓器と比べて肝臓は摘出後12時間、腎臓は48時間しか生きられない。(肝腎かなめ)
尿の食塩量は海水と変わらないので、喉が渇くからと漂流中に尿を飲むのは海水を飲むことと同じ。
膀胱容量は日本人平均で約500cc だが最大1リットルまでは貯えられる。
女性イスラム教徒では多淫を戒めるため陰核切除が未だ行われている。
渡辺淳一先生は、ボインより微乳が好み。
色盲と色弱は男性のみ現れる異変。
味音痴である味盲は日本人の15%。
脳の成長は20歳まで。成人脳は平均男性1400グラム、女性1250グラム。(アインシュタインの脳は1230グラム!)
人体の骨は約200個。
など、面白い雑学的読み物としても楽しめる作品です。
Posted by ブクログ
2011.06.08. 病理学の先生に勧められて。読みやすく、素人でもすんなりわかる。春から勉強している生理学、病理学、医学総論などのビミョーな知識がつながっていく感じです。