あらすじ
創薬チーム、それは原因不明の難病奇病に苦しむ者の最後の望み。主治医からの依頼を受け、限られた時間内に病のメカニズムを解明、対応する新薬を創造して患者を助けるのが彼らの役割だ。調査担当の薬師寺千佳と化学合成の鬼才・遠藤宗史。ふたりは、数々の難題をクリアして得た成果で、ある女性を救おうとしているのだが――。化学×人間ドラマ。ミステリの新たな扉が開かれる。
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Posted by ブクログ
【あらすじ】
創薬チーム、それは原因不明の難病奇病に苦しむ者の最後の望み。主治医からの依頼を受け、限られた時間内に病のメカニズムを解明、対応する新薬を創造して患者を助けるのが彼らの役割だ。調査担当の薬師寺千佳と化学合成の鬼才・遠藤宗史。ふたりは、数々の難題をクリアして得た成果で、ある女性を救おうとしているのだが――。化学×人間ドラマ。ミステリの新たな扉が開かれる。
【感想】
この本のタイトルが気になって買ってみたけど、ここまで内容の濃い作品だとは思わなかった。専門的な言葉もたくさん出てきて、なかなかついていけない部分もあった。でも、何より創薬を通して人と人との繋がりを強く感じられたところがとてもよかった。続編が出ればいいのになあと思った。
Posted by ブクログ
こういう化学とかの専門の人だからやっぱりマニアックに感じる内容も出てきてそれが面白かった。姫子についてなかなか触れなかったからどうなるのか想像つかなかった。最後、遠藤が失認になるのとは思わなかった。姫子が起きたこと?で遠藤も元に戻れたし、良かった。蓮見と千佳は案外合ってるのかなーと最後千佳が笑った辺りで思った。
創薬ってどんな感じなのかよく知らなかったけど読んでて面白かった。
Posted by ブクログ
3
1人の難病患者のために、病の原因を突き止め命をつなぐ創薬探偵。患者や状況等の調査担当薬師寺千佳と、構造を見ただけで全合成ルートが分かる合成者遠藤宗史の2人体勢。URT超希少疾患特別治療なる架空の制度のもと、創薬に挑む。(ウルトラ)オーファンドラッグ制度もあるが、面白い設定。病気の原因を犯人・創薬するのを探偵と呼び、ビトロ試験から人体へあたりの人体実験感が気になってしまうからか、会話の感動感が薄い。iPS細胞も出てきて創薬の進め方が出てくるあたりは面白い。姉の婚約者である遠藤に対する千佳の想いの行方も気になる所。
URTについて、実質的な人体実験ではないかという批判。費用は全て患者負担で高額。どうせ死ぬくらいなら挑戦という感じであれば、こういったパターンもありか。著者はDSPのよう。
作中のリュオードというベンチャー企業。医薬品の販売ではなく、特許の使用権を売ることで利益を上げる企業。商品になる特許の出所は、大学や製薬企業。出願されたまま放置されていた特許を拾い集め世の中のニーズを的確に把握した上で、それらを提供する知的ビジネス。各大学や政府がTLOで取り組んでいるが、実際にはなさげ。作中では、ドラッグリポジショニング(既存の薬から、元々の用途以外の病気にも効くものを探すこと)が狙い。昔自分達で合成した化合物で特許を取って売るという話らしい。